7月にAgileUCD研究会でワークショップをやった「ゲームストーミング」の日本語版が出版されました(買いました)。

AgileUCD研究会で樽本さんが「御殿山白熱教室」としてワークショップをやってくださったゲームストーミングの翻訳書が出版されました。

ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム

ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム

序盤はブレストの教科書

序盤はブレインストーミングチュートリアルです。
特に、発散と収束の説明が重要です。
この数章だけでも、読む価値があります。

膨大な発想ゲームのカタログ

そのあとは膨大な発想ゲームのカタログです。
チームでアイデア発想や意思決定をするときの手法群です。皆で合意可能な解決策も、誰かが発想しないと作れないので、それを引き出すビジュアル的な手法やコミュニケーションのフレームワークが有用です。IDEOだと「手で考える」(書いたり、切ったり、貼ったり、手を動かしながらみんなで考える)というやつです。

オブラブやDevLOVEなどの勉強会で、やったことがあるものが結構あります。例えば、私が聞いたことがあったものを少し紹介すると....。

  • Affinity Map (親和図法) : いわゆるKJ法を起源とするやつ
  • Body Storming (ボディストーミング) : UXでアクティングアウトといわれるもの
  • Card Sort (カードソート) : アジャイルやUXでよく使われる。アジャイルマニフェストもこれに近い方法で議論されたっぽい
  • Dot Voting (ドット投票) : シールを貼って投票。これもよく使われる
  • Empathy Map (親和図法) : 先週のすくすくスクラムで Jukka Lindstrom さんが紹介していた。
  • Forced Ranking (強制的ランク付け) : 議論より決めてしまうときに有効な場合にやります。
  • Post-Up (貼り出し法) : 全員が黙々とアイデアを紙に書いて、それを出してから議論。よく使います。
  • Storyboard(絵コンテ) : これはUXではおなじみ。絵を描いて利用者シナリオを共有。Excelプロトタイピングにも載ってました
  • Pecha Kucha (ペチャクチャ) : 日本の形のLTなんですが、六本木のPecha Kucha Night から英語圏でメジャーになったようです。
  • Button (ボタン) : トーキングオブジェクトを持っている人だけが発言
  • Elevator Pitch (エレベーターピッチ) : 短時間に説明できるように準備重要
  • Open Space (オープンスペース) : Open Jam、または、アンカンファレンス。その場でサインアップしてプレゼン/セッション。デブサミ2011でもやらせていただきました。
  • The World Cafe (ワールドカフェ) : Discovery Coach の人がよくやってるやつ

などなど。それぞれの起源が(不明のものもあるけど)書いてありますので、読み物として資料として重宝すると思います。

会社やコミュニティでこれからファシリテーションをしようかな、と思っている人にも、いい導入ガイドになるんじゃないでしょうか。

監訳者の野村恭彦さんにサインをいただきました

偶然お会いする機会があり、早速サインをいただきました!素晴しい笑顔のナイスガイ野村さん。

巻末に野村さんが推進されている「フューチャーセンター」のワークショップの模様が載っています。実際に日本で行われている風景なので、貴重です。