割り込みにどう対処するか

アジャイルコーチとして社内でスクラムを始める人のサポートをちょくちょくやってきたのですが、一番多い質問の一つが「緊急の割り込み仕事が多くて予定が立たない」です。作業をどうやって安定させるかはスクラムの本線なのでチームで考えるとして、結構ストレスなのが、割り込みたい人への対処だったりします。

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むしろ緊急にして持ってくる人がいる

割り込みを持ってくる人は断られないようにむしろ緊急にしてから持ってくる傾向があります。列に割り込んで一歩でも前に出られたなら承認欲求が満たされるケースとか。私が責任者だから私の意見が通らないといけないと思っているとか。

透明性を担保して相手も理解できるようにする

透明性と心理的安全性を確保して、早めに相談する方が得な環境を作れるといいんじゃないかなぁって思います。スクラムだと、プロダクトバックログを透明に保って、誰でも見られるようにして、その上で何番目にその案件を位置付けるかを決める。

そういえば、Kanban手法を提唱したデヴィッドアンダーソンさんは東京の観光地で順番待ち札を渡しているのを見て閃いたのだとか。何人が待っているのかが分かると待ってる側に諦める選択肢があっていいですよね。もっといいのはなるべく待たせないようにすることだけど。

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もう一つの作戦は窓口を作る...だけど弊害も多い

反対の作戦がいわゆる「窓口」というやつで、処理をブラックボックスにしておく代わりにゲートキーパーがきちんとご案内をする。

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窓口モデルは一見よくできてるんだけど、ソーシャルハックに弱くて、この案件は最優先だからとか、偉い人の発言を使ったりして、権威を積みまして早く通ろうとする作戦に弱い感じがします。そういう人に媚を売ってうまい商売も出来そうな気がするけど、それは官僚制が賄賂でハックされる歴史に似ている感じもします。

まあそこまで行かなくても、最適かどうかがわかりにくいとか、窓口の人に情報が集まりすぎるとか、窓口が休むと業務が止まるとか弊害も多くて。

信頼をやり取りするゲームに持ち込む

社内の実務者同士のやりとりなら、相手が不特定多数ではない点を利用して、手の内を隠すよりむしろさらけ出してしまって、信頼をやり取りするゲームに持ち込めると、だいぶ効率化しそうです。

「今こんなキューになってるんですけど、どの辺に入れますか」「あれ、もうちょっと早めに言ってただけるともうちょっと考慮できたかもですね。」「ゆるい段階でいいので軽く教えておいてもらえればキューに入れときますよ。」

見える化ってそういうことかな。

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