電王戦 最終局、注目の現役八段/A級棋士との対決はコンピュータの勝利となったようだ。
△GPSの△75歩▲同歩△84銀はこの形では新手法の仕掛けですか、これで決定的に悪くならないのならば新定跡誕生です。
GPS将棋開発チームの金子知適(ともゆき)さんは「トッププロとの対局の機会は貴重。最高の将棋を指したいと思っていた。結果より600台超のコンピューターが事故なく動いたことが喜び。勝利の実感はわかない」と冷静に語った。
自分は強くないし詳しくもないから、誰かが解説してくれてはじめて楽しく見ることができる。
きっと今回も放送では、そういった解説の人が上手に実況してくれてたりしたのだろうと想像する。
興業としてみたら、将棋は解説こそがユニークな価値なのかもしれない。
電王戦の場合その辺りは人間が中心なのだが、コンピュータの思考過程は誰も知らないので、今ひとつ解説に味気がなかったりするのではないかと想像する。きっとログを解析すれば解説を後からつけられるのだろうけれど、実況にはライブ感が重要だ。コンピュータ側に解説機能を作るのが次のチャレンジなのかもしれない。
....もしかしたら、もうあるのかもしれないけど。
ソースコードを読んでいる人の世界
このかたの解説が詳しそうだと古田@道具眼氏から教えてもらった。
コンピュータの話なので、ソースを読める人には別の楽しみ方がきっとあるのだろう。
一応、ソース公開されているのですが、Bonanzaと違って派生ソフトは出てきていないと思います。自分も、5年ぐらい前に読もうとしたのですが、Bonanzaのソースは自分レベルでも何書いているのかなんとなくわかるのに、GPS将棋は読む気が失せるレベルで何やってるのかさっぱりです。あの頃から、さらにクラスタ化処理がゴリゴリ追加されていると思うと、読む気は出ません。ありゃあ、流用できるならその腕で一から組んだ方が早いわ。(笑)
さて棋風ですが、よくわかりません。強いのは強いんですけど、本気を出した(マシンの台数が多いときの)棋譜をほとんど見たことがないので、計れないんですよ。
しかし、ううむ。
...と思ったら、意外な手作り感が素晴らしいです。
東大のGame Programming Seminarが脈々と育てているソフトです。マシン数百台の並列計算と言いますが、要は情報処理室などにあるiMacなどを片っ端から使って毎秒2億局面読むという話です。単純にnps多けりゃ強いってわけでもありませんが、佐藤康光九段の緻密な読みを評して「1秒間に1億と3手読む」と言われている過剰表現が現実の物になってるのヤバいですね(笑)
東大って、こういうところがすごいなあ、といつも思います。
日本の大学らしく、お金がないところを知恵でカバー。(いいのか悪いのか...)
研究室のコンピュータがプロに勝った。
アルゴリズムを育て、いろんな環境で動くようにし、コンピュータをかき集めて、勝った。
そういうところが、面白いんですね。