PowerPointやKeynoteでプレゼンする際、発表者ディスプレイモード(スピーカーノート、次のスライド、経過時間が見える画面)を使っていますか?
会場での対面登壇では、プロジェクタにHDMIケーブルを接続すれば自動的に:
- プロジェクタ側:スライド本体が全画面表示
- ノートPC側:発表者ディスプレイ(ノート、次のスライド、タイマー)
という理想的な環境が整います。
ところが、Zoomでのリモート登壇やオンライン配信では、HDMIケーブルを挿さないため、発表者ディスプレイモードが使えないという問題があります。
この問題を解決してくれるのが、HDMIダミープラグです。
ダミープラグとは?
HDMIダミープラグは、PCのHDMIポートに接続することで「外部ディスプレイが接続されている」とPCに認識させる小型デバイスです。実際のディスプレイは不要で、仮想的な2画面目を作り出します。
価格は1,000円~3,000円程度で、手軽に入手できます。
リモート登壇での課題
会場登壇の場合
- プロジェクタにHDMIケーブルを接続
- PowerPoint/Keynoteが自動的に外部ディスプレイを検出
- 発表者ディスプレイモードが有効になる
- 接続不良のリスクはあるが、発表者ディスプレイは使える

Zoom画面共有の場合
- HDMIケーブルを接続しない
- PowerPoint/Keynoteは外部ディスプレイを検出できない
- 発表者ディスプレイモードが使えない
- 接続不良の心配はないが、スピーカーノートが見られない

ダミープラグを使った解決策
- ダミープラグをHDMIポートに接続
- PowerPoint/Keynoteが「外部ディスプレイあり」と認識
- 発表者ディスプレイモードが有効になる
- 2画面目(ダミープラグ側)のスライド本体をZoom共有
- 会場登壇と同じ環境を、接続トラブルなく実現

セットアップ方法
1. ダミープラグの接続
ノートPCのHDMIポート(またはUSB-C/Thunderboltポート経由でHDMI変換アダプタ)にダミープラグを挿入します。
2. ディスプレイ設定の確認
Windowsの場合:
- デスクトップ上で右クリック →「ディスプレイ設定」
- 「複数のディスプレイ」セクションで2つの画面が認識されていることを確認
- 「表示画面を拡張する」を選択
- 画面の配置を調整(ドラッグで位置を変更可能)
macOSの場合:
- システム設定 →「ディスプレイ」
- 「配置」タブで2つの画面を確認
- ミラーリングのチェックを外す
- 画面の配置を調整
3. 解像度の設定
プレゼン用途の場合、2画面目の解像度は以下がおすすめです:
- 1920×1080(フルHD):最も一般的で、配信品質も十分
- 1280×720(HD):軽量で、ネットワーク負荷を抑えたい場合
4K対応のダミープラグもありますが、配信では帯域を消費するため、用途に応じて選択してください。
4. 発表者ディスプレイモードの設定
PowerPointの場合:
- スライドショータブ →「スライドショーの設定」
- 「発表者ツールを使用する」にチェック
- スライドショーを開始
- 自動的に2画面目にスライド本体、1画面目(ノートPC)に発表者ディスプレイが表示される
Keynoteの場合:
- 再生メニュー →「発表者ディスプレイをカスタマイズ」
- 表示したい情報(ノート、次のスライド、時計など)を選択
- スライドショーを開始
- 2画面目にスライド本体、1画面目に発表者ディスプレイが表示される
Google Slidesの場合:
- プレゼンテーションを開始
- 発表者ツールを開く(通常は自動的に開く)
- ブラウザウィンドウを2画面目に移動
- 発表者ツールは1画面目に配置
Zoomでの画面共有設定
- 事前にスライドショーを開始し、発表者ディスプレイモードにする
- スライド本体(全画面表示)を2画面目に配置されていることを確認
- Zoom会議中に「画面を共有」をクリック
- 2画面目全体を選択して共有(特定のウィンドウではなく、画面全体を選ぶのがポイント)
- 1画面目(ノートPC)には発表者ディスプレイが表示され、スピーカーノートや次のスライドを確認できる
この設定により:
- 参加者にはスライド本体だけが見える
- 発表者はスピーカーノート、次のスライド、経過時間を確認できる
- 会場登壇と全く同じ感覚でプレゼンできる
実践的な活用シーン
パターン1:プレゼンテーション
- 1画面目:Zoomのギャラリービュー、チャット、スピーカーノート
- 2画面目:PowerPointやKeynoteのスライド(全画面表示)
パターン2:ライブコーディング
- 1画面目:資料、ターミナル、参加者の反応確認
- 2画面目:エディタのコード画面のみ
パターン3:配信ツール使用時
- 1画面目:OBSの設定画面、プレビュー
- 2画面目:配信用の映像(OBSのキャンバス)をZoom共有
パターン4:ワークショップ
- 1画面目:参加者リスト、ブレイクアウトルーム管理
- 2画面目:共有する作業画面やホワイトボード
よくあるトラブルと対処法
ダミープラグが認識されない
- PCを再起動してみる
- 別のHDMIポート(またはUSB-Cポート)で試す
- ダミープラグの解像度がPCの対応範囲内か確認
画面の配置がおかしい
- ディスプレイ設定で画面の配置を調整
- ウィンドウが2画面目に移動できない場合は、「表示画面を拡張する」が選択されているか確認
Zoomで意図した画面が共有されない
- 共有前に、目的のウィンドウやアプリを2画面目に移動させておく
- 「特定のウィンドウ」ではなく「画面全体」の共有を選択
2画面目のウィンドウが見えない
おすすめのダミープラグ
選ぶ際のポイント:
解像度:
- 講演/配信用途なら1920×1080対応で十分
接続端子:
価格帯:
- エントリーモデル:1,000円前後(1080p対応)
- ミドルレンジ:2,000円前後(4K対応、EDID設定可能)
- ハイエンド:3,000円以上(複数解像度対応、耐久性重視)
1,500円前後の1080p対応モデルで十分実用的だと思います。
まとめ
HDMIダミープラグは、小さくて安価ながら、配信環境を大きく改善してくれるツールです。特にノートPC1台で頻繁に配信やプレゼンを行う方には、投資効果の高いアイテムと言えるでしょう。
この方法のメリット:
- 外部ディスプレイを持ち運ぶ必要がない
- 配信機材がコンパクトになる
- 画面共有の操作が直感的になる
- プレゼンの質が向上する
RSGTやスクラムフェスでは、現地でもZoomを使って資料の投影をしています。ですので、ご自宅の環境と同じ設備で講演できます。
ダミープラグも配信キットに入れてあります(このリストには載せてませんでした)。
ぜひ、事前に試してみていただければ幸いです。