Kyonの8割

もう10年以上前の話になります。

仙台で開催されたレッツゴーデベロッパーというカンファレンスに参加したときのことです。

kyon_mmさんの登壇を聴講していたのですが、「スペシャリストではなくゼネラリストを目指そう」という趣旨のお話でした。曰く、一つの分野を8割くらいまで学んだら、そこからさらに突き詰めるよりも、別の分野を学んでいった方がいいのではないか、と。

会場の若いエンジニアたちは深く頷いていました。確かに、一見すると理にかなった話です。100%を目指すより、80%を複数持っている方が応用が利く。よくある話ですよね。

ただ、会場の一番後ろで立って聞いていた私とbikisukeさんだけは、クスクス笑っていました。なんというか、皆さん騙されている気がするなぁ、と。

懇親会の席で、本人に直接聞いてみました。

「ちなみにKyonさんの言う8割って、具体的にはどの辺なんですか?」

返ってきた答えはこうでした。

「まあC++でいえば、スッパスッパ(開発者のストラウストラップ博士)が10割じゃないですか。コンパイラ作ってる人が9割。コンパイラソースコードくらいは読みますよね。自分でコンパイラ書いてみるくらいですかね」

……いや、それ8割?

おそらく、会場で頷いていた若者たちが想像していた「8割」と、Kyonさんの言う「8割」の間には、かなりの距離があります。というか、ほとんどの人が一生かけても辿り着かないところに、彼の8割は設定されています。

若者よ、kyon_mmに騙されるな。

 

このエントリはkyon_mm Advent Calendar 2025に向けて書いたものです。