書評: 素人のように考え、玄人として実行する—問題解決のメタ技術

半分くらいしか読んでいませんが、とても面白いです。

技術者向けのドラッカーといった感じ。

競争社会でも自分を見失わずにやりたいことを進めていく勇気(ノウハウ)をくれる本、なのかもしれません。

プラネテス」の星野ゴローさんに、あーだこーだ諭されている感じ。多くのトピックは目からウロコだし、なんとなくどこかで見聞きしているような話しも、独特の読ませ方で、飽きることがないです。

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筆者の、魅力的な書き方を、うまくパラフレーズして伝える能力がないので、すこしだけ引用することをお許しください。今のところ、私が最もスカッとした部分です。

『12.アイデアは「人に話して」で発展する』

「ドクター・カナデあなたの言うようにアイデアをオープンに話したら他人に盗用されてしまうではないか」

研究者や企業の人たち、そして学生からも言われることがある。私は、そういう人には、次のように、3つの場合に分けて考えてみようと答える。

 1.相手はすでに知っていた -- もともと知っていたのだから、たいした損害はない。せいぜい、相手を元気づかせた程度である。

 2.相手はまだそのアイデアを知らなかったが、全然興味がなくて忘れてしまったのか、聞いたことにしたがって何か始めたがたいしたことはできなかった -- 何の損害もないし、後者の場合には、あなたがいいことをすれば彼はあなたを尊敬するだろう。

 3.相手はまだ知らなかったが、自分が言ったことで、相手が自分より先にいいことをやってしまった。

 問題になるのは3の場合である。一番まずい。「そこで」と、私は学生たちに言う。

 「相手は知らなかった。ということは、あなたよりもあとから考え、やり始めたということだ。しかも先にいいことができてしまった。これは何を意味するか。敵の方が頭がよく、やり手であることが証明されたようなものだ。つまり、相手の方が先に何かやる確率が、もともと高かったのだ。結局、言っても言わなくても、いずれ向こうに負けただろう。この場合は、あきらめた方がよろしい。」

3のケースは、やっぱり機会損失は発生しているような気がしますが、そこで臆病になったって、別の機会損失(黙っていた結果、アイデアが進まない)を招くだけかもしれないので、さっさとあきらめて効率的に次の未来を作っていこうよ、というスーパーポジティブな考え方のほうが、いいんじゃないの?と。

梅田さんの「はてな」に関するエントリを思い出したのでリンク貼っておきます。

My Life Between Silicon Valley and Japan - 何でもオープンにすることについて(つづき)とか

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細切れ時間に1~2セクションずつ読むことができるので、そのへんもポイント高いです。

Amazon.co.jp: 本: 素人のように考え、玄人として実行する—問題解決のメタ技術

素人のように考え、玄人として実行する—問題解決のメタ技術


文庫化されているくらいだから、それなりに売れているのでしょうね。