書評: ブルームバーグ

Amazon.co.jp: 本: メディア界に旋風を起こす男 ブルームバーグ

97年の出版ですので、もう7年も前の本ですけれど、

ニューヨーク市長 マイケルブルームバーグ氏のエッセイ ( 自伝 and 経営指南 ) です。

図書館で借りてきました。読むのは2回目。

実際に書いてまとめたのは、マット・ウィンクラーというブルームバーグ者の重鎮(元ウォールストリートジャーナル)。

監訳者は、ブルームバーグ東京支社の人、とまあ、その辺を眺めると、

ちょっとブルームバーグ社色が濃くて、手前味噌かと思いますが・・・、

いやいや、中身はよくできていると思います。

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ブルームバーグ氏の略歴をかなりテキトーにまとめると・・・

ハーバードMBA取得後、米金融大手ソロモン・ブラザーズで株関係の伝説のディーラー。

その後、ジェネラル・パートナー(オーナーに近い)まで上りつめたんだけど、会社都合で退社。

やめる際に得た資金でブルームバーグ社創業。

(そのころのやり取りに、グットフレントという会長が出てくるんですが、この人、ウォーレン・バフェット本でも出てきました。)

で、今はブルームバーグ社の経営は人に任せて(オーナーではある)、ニューヨーク市長。

・・・という感じです。

その他、この本では・・・

ブルームバーグ社がいかにメリルリンチの最初の契約を取り、最初の端末を何とかリリースしたか

ブルームバーグ社がいかにしてニュースを始め、「記者クラブ」制度とどう戦って門戸を開かせたか

ブルームバーグ社は業務拡張の取捨選択についてどのように考えているか

とかいうことが、ストーリーだって書いてあって、読ませます。

(私がインパクトを受けた点ですので、かなり偏ったリストになってます。あしからず。)

読み返してみて気がついた点というか感じた点は、ブルームバーグの新規事業は、「イノベーションの解」の主張と整合性の取れる進め方なんじゃないかと。

企業を買ってくるより、自分でビジネスを立ち上げるほうが割安なことが多い、とか言ってますし。

(もちろん、キャッシュインと想定キャッシュアウトを慎重に把握して判断していることは窺えます。この人MBAで株ディーラーだしね。)

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ブルームバーグ社は、金融情報のトップランナーの一社です。

主力はプロ向け情報端末です(最新端末は以前書いた宇田川 信学さんのantenna design社がデザイン)。

CATVやスカパーで、「ブルームバーグTV」というチャンネルを運営しています。

あと、東京駅前の丸ビルの同社ブースに岩井俊夫さんプロデュースのインスタレーションがあります。