野中郁次郎 「美徳の経営」 in アカデミーヒルズ

今夜は、アジャイルジャパンに続き、野中先生が登壇されるということで参加してきました。
アジャイルジャパンの後、スクラムについて勉強されたということで、スクラムの内容(デイリースクラム)まで言及されていました。朝会で毎日顔を合わせるのは、「場」であり、暗黙知の共有にとてもよいと考えているそうです。

メモ

精度が低くてすみませんが、メモをおいておきます。

  • 暗黙知形式知
  • SECIモデル
    • 言葉を形に .. 社会に多くの知を触発していく。
    • このプロセスを通じて、個人の知が集団の知になり、組織の知になり、組織間の知になり、そして個人に戻っていく。
    • 経験対言語、主観と客観。
      • どっちがより原初的なんだ?
      • 欧米では in the beginning, there was a word.
      • 我々は、原初は経験ではないか、と。
    • まず共同化(Socialization)から、だと考えている
      • 共感のプロセスが、実はものすごく重要ではないか、ということがわかってきた。
      • 「気付き」の本質は見えないから、自分でも考え抜く。
    • SECIの高速回転化
      • 創造性と効率性をダイナミックに両立させる
  • 21世紀の最大の問題はsustainability
    • 爆発的な成長ではなく
    • 持続的に効率性を追求
    • 知を利潤の流れに変換する = ビジネスモデル
      • 自社にしか提供できない価値を、どのような能力から生み出し、どのような顧客に届け、優れた収入・コストの構造にして利潤に結びつけるかの枠組み
      • カリフォルニア大学でコース作ろうや、といっている。
    • 個別具体の文脈に合わせて、次々に関係性を構築していく、ビジネスイノベーションは、実践論。
      • 4つの次元 - 9つの要素
      • 価値命題: いかなる価値(知)を提供できるか
    • タタグループのnano
      • ラタン・タタCEO: 雨の日のムンバイの路上で、スクーターに家族全員が乗っている姿を凝視していて、ひらめいた。彼らに手の届く範囲の自動車を提供できれば。 <= 価値命題
      • いくらくらいか?
      • 作れるか?
      • 若手のエンジニアを使って徹底的にコスト構造を変革
      • <= 演繹的に論理分析的に導くのではなく、現実のただ中で導きだす。個別具体の場所から思いつく。演繹ではなく、遠い帰納というか、アブダクションという言葉がある。
    • iPod
      • 現実にものをみながら、音楽配信という「コト」として
      • 現実の関係性: コトのなかのモノ
  • 知識ベース・ビジネスモデル
    • 一番重要なのは価値命題
  • リーダーシップ
    • マネージングフロー、知流の経営の最後の課題。
    • 10年くらい研究してきた。
      • 最終的にたどり着いたのは、「フロネシス」
  • フロネシスとは何か
    • 風呂に入って寝て死ぬのか
    • prudence
    • 価値・倫理の思慮分別をもって、個別のその都度の状況とコンテキスト(文脈)のただ中で、最善の(just right)判断・行為ができる実践的知恵である
  • 賢慮型リーダーシップの6能力
    • 1. 「善い」目的をつくる能力
      • ベクトル。善い方向がなければ。
      • 唯一絶対な定義はない
      • なにが Good か。
      • 決して手段にならない、それ自体を追求する価値
      • 金銭は手段になる
      • 絶えず卓越性を追求するプロセス自体が good
      • 無限にそれを追求していく。職人道。
      • ハイデガーの人間存在と時間
      • Thought Leadership: 未来社会に向かって「善い」目標をばらまく
    • 2. 場をタイムリーに作る能力
      • Ba(r)で知がわき上がる
      • いまここ の経験の共有が場の基盤
      • inter subjectiviry
      • ワイガヤのプロセス
      • 意識の3段階
      • 母と子: 「生き生きとした存在」 感性の綜合
      • 自我: 相手を対象化する。「われ-それ-関係」 知性の綜合
      • より高次の次元で「我-汝-関係」
      • 大事なのは touching。身体の感覚は相互に浸透し合う(メルロポンティ)
      • 相互主観性の根幹
      • ミラーニューロン
      • 顧客のニーズは形式知化できても、ウォンツは形式知化はできない
      • 人間として全人的にふれあう、作り合う
      • 間身体性
      • 逃げ場がない。他人事ではなく自分ごとである
      • 他者との関係性の中での自己認識(メタ認知)
      • 境界は開閉自在で中心は動く-細胞(浸透可能性)
      • スクラムアプローチ
      • 新しいソフトウェア開発の主流「スクラム」、アジャイル
      • スクラムのコンセプトは 1986年の
      • 「ぜんぜん知らなかったですけどね」
      • 限られた時間の中で全員の持っている暗黙値を全身体で語り合う。
      • 同時にITを駆使する
    • 3. ありのままに現実を直感する能力
      • ラタン・タタ
      • 神は細部に宿る ( God is in detail )
      • actuality と reality
      • actuality: 関係性(コト)のなかで身を以て経験している
      • reality: モノ的な現実。因果律が明確
      • 本田宗一郎 Honda way
      • 対象に棲み込む
      • ホンダの三現主義
    • 4. 直感の本質を概念に変換する能力
      • 徹底的に考え抜く、対話をする。ミクロの直感を構想力に結びつける
      • その場で概念(コンセプト)を紡ぎ合う
      • 言葉と動作、床の上の設計図
      • ポンチ絵から展開して、設計図にいたる
    • 5. 概念を実現する能力
      • 情熱と勇気、胆力
      • 矛盾に耐えながら、執拗に実現していく。不屈
    • 6. 賢慮を組織化する能力
      • 「伝える」ということ 松下幸之助
      • 個人の全人格に埋め込まれている賢慮(実践知)をどうやって伝承していくか
      • 組織の実践値に錬磨する。体系化する能力。
      • 何が起こってもリアルタイムで対応できるしなやかな組織(resilient organization)を構築できる
      • 福井威夫の組織運営 - 大勢の本田宗一郎を作る
      • 手本の表現
    • 賢慮・実践値の基盤
      • 教養(Humanity)
      • 至高経験(Peak Experience)
      • 小林遼太郎: 20年間勉強会をやった
      • 手本がいる。マニュアルに描けない
      • just rightな判断は失敗の経験から
      • 教育は、徒弟モデル。ただし徹底的にデジタルを使いながら。
        • 実践と伝統
  • ドラッカーの知の方法論
    • ドラッカーは、同じものをみても、教養の幅が広いので、より広いことを感じ取る
    • 本田宗一郎は、より現場
    • 我々は天才ではないので、毎日の取り組みの中で、目的意識を持って、一期一会の一回性をいとおしむ
    • 常識を理論化する。常識を錬磨する
    • 日々の絶えざるExcellenceの追求
  • 賢慮型のリーダーシップ
  • 卓越性経営の本質
    • どういう風に生きたいか
    • したたかに、なにが本当か、を追求する
  • 知的体育会系
    • 直感から始まる
    • 深く考え抜く
    • 徹底的に分析する
    • contempration in action
      • 実践知のリーダー
    • 徳 = 勇気と愛と不屈
      • care, love, trust, safety
    • ラム・チャラム
      • コンサルタント
      • 人材育成
      • グローバルな apprentice model
      • エリートを教え抜く。タレントの育成、選別
      • 親方、メンターを作っておく
  • アジャイルスクラムの毎日顔を合わせるというのは興味がある
    • 最後に人間として共通の地下水みたいなものがある
    • 身体性の共有
      • ホンダは温泉で飲むことが重要
      • 仕事が面白くないとだめ。自己を超越するような目標設定
      • 戦友意識、創造の喜び