著者の五十嵐さん櫻井さんに献本をおねだりしてお送りしていただきました。
- 作者: 大場寧子,大場光一郎,五十嵐邦明,櫻井達生
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は、Ruby言語の使い方そのものではなく、それをとりまく文化や、アジャイル開発など、現在の「ふつう」の開発現場について説明した本です。
もくじ
- Chapter 1 : 「たのしい開発」を求めて
- Chapter 2 : Ruby の基礎知識
- Chapter 3 : Ruby を使ってみよう
- Chapter 4 : Ruby on Rails とは
- Chapter 5 : Rails を触ってみよう
- Chapter 6 : Ruby の文化
- Chapter 7 : 自動化されたテスト
- Chapter 8: アジャイル開発とRuby
- Chapter 9 : Ruby のコミュニティ
- Chapter 10 : とある企業の Ruby 導入事例
- Chapter 11 : 「たのしい開発」の答え
Chapter2から5は、RubyとRails についての歴史やインストール方法、初期の使い方の説明です。
Chapter 6以降はアジャイル開発やコミュニティに関わる部分です。
私が最初に関わったスクラムのプロジェクトでもRubyとRailsを採用して、そこから多くを学びました。Ruby はテストの自動化について学ぶにもとてもよい環境だと思います。
本書を読みながら、自分たちの開発のやり方との違いを一つ一つ発見していったらいいとおもいます。驚くべきことにそのほとんどは無料で手に入るものばかりです。会社がXXを買ってくれたり、研修を受けさせてくれなくても、できることがきっとありますよ!
とりあえず会社に持って行って共有しようっと。
ぐっときたこと その1
序盤にこんなコラムがあります。
P.24 Column 職場でインターネット使って大丈夫?
Rubyistの間では、職場でインターネットを使うのは当たり前で、必須のことだという価値観が浸透しています。(中略)
セキュリティはツールではなく、プロセスです。システムで仕事に必要なことまで機械的に禁止し、押さえ込むことに邁進しても、セキュリティ面の安全性は高まることは決してなく、日々の仕事を効率良くスムーズに進めるという部分が阻害されてしまいます。
こういう話って、コミュニティでは普通なんですけど、企業内ではあまり普通に話されないんですよね。無邪気に生産性を落としにかかる、日本のエンタープライズのセキュリティ標準を作っている方達には猛省していただきたいと、いつも思っております。漏れるリスクより、伝わらないリスクの方が高いし、検知しづらく、組織を静かに摩耗させます。成人病みたいなもんです。肺がんを恐れて、煙草をやめた結果食べ過ぎて糖尿病になるパターン。けがによる出血より血栓で血管が詰まる方が危ない、というパターン。情報漏洩と情報途絶。両面のリスクを見るべきです。... すみません脱線がすぎました。
ぐっときたこと その2
Chapter 8 にプランニングポーカーの説明があります。
他にリファクタリング、ペアプロ、ふりかえり、朝会 の説明があり、アジャイル開発をはじめる上で最小限抑えておく概念がぎゅっと語られていると思います。おすすめ。
ぐっときたこと 番外編
Heroku の相澤さんのインタビューはChapter10です。
大企業でRubyとその文化を導入したら何がおこったか。
相澤さんの作戦は?!
Rubyの文化についてはもう一個名著がありますよ
yuguiさんのこの本が、Rubyの文化について詳しいです。
- 作者: Yugui
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/06/26
- メディア: 大型本
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ざんねんなこと
夏サミで著者全員にお会いしたのですが、本を持って行かなかったので、サインもらい損ねた!
(追記) っと思ったら監修の大場寧子さんは、実はメイン執筆者でもあるので、「著者全員」には会っていないよと大場光一郎さんから解説いただきました!