UCDを用いた要件定義手法 : エクスペリエンス・ビジョン 〜 ビジョン提案型デザイン手法
献本いただきました。ありがとうございます!

エクスペリエンス・ビジョン: ユーザーを見つめてうれしい体験を企画するビジョン提案型デザイン手法
- 作者: 山崎和彦,上田義弘,高橋克実,早川誠二,郷健太郎,柳田宏治
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2012/07/13
- メディア: ムック
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本書は、既存の課題を解決する「問題解決型デザイン」に対し、これまでに存在しなかった斬新な製品を提案する「提案型デザインアプローチ」を提案しています。提案型と言っても、誰かの思いつきではなく、調査と仮説を積み上げて、実際に使える製品まで仕上げていく、人間中心設計の視点からのプロセスを解説しています。
プロダクトマネージャーや、スクラムのプロダクトオーナーをやられている/目指されている方に向いた本です。UCDを用いた要件定義から仕様書の作成までを具体例をふまえつつ、見ていく事ができます。割とがっちりとしたUCDなので、特にWeb開発の場合は、プロジェクトの規模に合わせた手法の手抜きをしていくといいかもしれないです。
ビジョン提案型デザイン手法のプロセス
本書では以下のようなプロセスを提案しています。このプロセスはプロダクト全般のものなので、ソフトウェアも視野に入っている、という感じでしょう。
- 1:目標を明確にするフェーズ
- 2:要求を明確にするフェーズ
- 3:ユーザーとビジネスを設定するフェーズ
- 4:バリューシナリオを設定するフェーズ
- 5:アクティビティシナリオを設定するフェーズ
- 6:インタラクションシナリオを設定するフェーズ
- 7:企画提案署を作成するフェーズ
- 8:製品・システム・サービスの仕様書をするフェーズ
基本的には 1-2-4-5-6-7-8 というプロセスをたどり、3が4-5-6をサポートする、という流れを提案しています。
豊富なサンプル
第3部が、ドキュメントのテンプレートで、第4部が実際の応用事例です。
ペルソナやシナリオの実例が載っており、これからはじめる人にとって、価値があるのではないかと思います。
ペルソナから、バリューシナリオ(価値) - アクティビティシナリオ(行動) - インタラクションシナリオ(UI) と順に詳細な仮説を作っていくプロセス、そのレイヤーを理解しておくことはとても大事なことと思います。ドキュメントにする事で、伝える力がこもってくる事も重要でしょう。