Agile Japan 2009にいってきました。
http://www.agilejapan.org/
今回はアジャイルの人間的な側面にスポットを当てると言うことで、人の成長・教え方についての気付きと学びがたくさん得られたと思います。黒岩さんの講演に涙しました(目からウロコ以上の何かが落ちた)。
メモです。
== オープニング == * アジャイルジャパン * 日本ではじめてアジャイルアライアンスのスポンサーを受けた公式イベント * 10年間アジャイルと言ってきた * 日本で根付いていないのは、管理者の拒否感があるのではないか * 今日は、人に焦点をあてる * ペア申し込みはその * 人と人の関係 * マネジメント、コミュニケーション、リーダーシップ * 昼は後ろにパンを積んでおくので勝手にとる * 午後は * 良品計画事例 * 対話型のセッション (事例セッションは2回やる) * 途中で移動してもOK * クロージング : チームビルディング == キーノート : Mary Poppendieck == * 3Mにいた。ソフト業界に戻ってきたときにソフト業界がなぜそれができないか * role of Leadership * 1900 F.W.Taylor * The Principles of Scientific Management * 作業者はできるだけ仕事をしたくない * 作業者は品質を気にしない * 作業者は自分の仕事を最もうまくやるやり方を知っているほど賢くない * 1920 Charles R Allen - Industorial traning * four stepmethod of Industorial Traning * Preperation, Presentation, Application and Testing * On-the job traning is best * 造船の教育プログラム - アメリカで戦艦が必要になったときに * 88,000人を2年間で教育 * 生徒が学ばないのは先生が教えてないからだ * => トヨタでもよく出てくる * 1940 - Traning Within Industory * 戦時中の生産活動 * 経験のない労働者 * Allenのアプローチ * Job Instruction : 仕事の仕方 * Job Method : 改善の仕方 * Job relation : 人の扱い方 * TWI (企業内訓練) * 戦時中のアメリカ * 戦後の日本に導入された => 社団法人雇用問題研究会で売られている (TWI監督者訓練) * Five Skills of Good Spervisors * 1. Knowledge of the work * 2. Knowledge of Responsibilities * 3. 教えるスキル * 4. 手法を改善するスキル * 5. リーダーとしてのスキル * 平鍋: ソフトウェアを作ったことがある人が、現場で指導しないと、 * 日本のソフトウェア業界は破綻する、という思い * 1950 Toyota Production System * 大野耐一 * Just in time flow * Sotp the line Culture * Relenteles Improvement * Books * 現場経営 (Workpklce management) * トヨタ生産方式: 脱規模の経営 * "Standard Work" 標準 * 標準は変わるもの * 標準は現場で書く * 標準づくり * 標準を作るときにベストを書けと言わない * 今やっていることを書く。そこからよくなれば改善 * Who Desides on Standards? * 「決めた」 <- 「決められた」ではなく * 自分にも決定権がある * 改善案が出てくる -> それを標準にすればいい * Changing Standards * 一年間標準が変わってなかったら、給料泥棒 * 1980 Dr. Edwords Deming - System of Profound Knowledge * Appreciation for the system * システム的な見方が基盤。部分最適するな * Knowledge of Variation * ほとんどの変動は「一般原因による変動」 * システムの働きを変えるにはリーダーシップが必要 * Theory of Knowledge * Psycology * Kaoru Ishikawa "WHAT IS TOTAL QUALITY CONTROL?" * On Management: * マネジメントの基本原則は、部下に自己の能力をフルに発揮できる環境を与えること * On Standard: * 新しく確立された標準が6ヶ月改訂されてなかったら、それは使われていないということ * What are you building? * Three Stonecutter are asked? * 石を切っている * 生計のために働いている * 聖堂をつくっている * Respect People * Move resposbility and decision making to the lowest possible level. * 最下層の人が自分で判断する * リトマス試験紙: 問題があるとき、文句をいう?/無視する?/自分で治す? * Leadership - toyota way * Group Facilitator みなさんの力で * Bureaucratic Manager 決まりに従え * Task Manager これをこうやります、さあ、やってください (マイクロマネジメント) * Builder of Learning Organizations 目的と方向性はこうです。一緒にやろう * John Shook : トヨタに最初に雇用された外国人 * Three models of Leadership * Director : 古き独裁者 * Empowerment * Lean: Follow me * トヨタのリーダーの仕事 * 1. 先生 * 2. 一人一人が主体的に問題解決 * 3. 一人一人の仕事が、「顧客価値」と「会社の繁栄」の両方に価値提供するように * 必ず整合させる * 平鍋: TPSをひとことでいうと「自分で考えろ」ってことなんですよ。と言われた。 * Chief Engineer * Responsible for Business success * Develops Deep Consumer understanding * 製品コンセプトを開発する * 上位レベルのシステムデザインを作る * スケジュールを設定する * 顧客の価値を理解し、日々のトレードオフを行うエンジニアにその理解を伝達する * 必要なときにトレードオフを調整する * ビジョンを維持(defened)する * 例: シエナの開発 * Leadership Roles * 3Mのチャンピオン * Marketing Leader * Business Responsibility * Customer Understanding * Release Planning * Tradeoffs * Technical Leader * System Architecture * At a high level * Work daily with those developing the details * Technical Guidance * インテグレーション * トレードオフ * 機能リーダー * job instruction * standard * job alignment * システムを変える * Fujio Cho * We get brilliant results from avarage people managing brilliant process. * Our competitors get average results from brilliant people working * arroung broken process. * Deming * 我々が出会うほとんどの問題(90%)はは一般的に原因を1つに特定できない、 * 複数の影響の結果である。 * 問題の原因を一部の人のせいにして追究するのは、全く逆効果だ。悪い状況をさらに * 悪くしてしまう。 * TPS: Thinking People System == 黒岩 恵: ソフト開発に生かすトヨタ生産方式 ものづくり・人づくり == * 平鍋: 現在Scrumでソフトウェアも開発中 * ビルゲイツ、西和彦のころ、会社作ろうかな、と思った * 年商1億のしごとより10億の仕事の方が楽しい、ということで定年までいた * 情報システム部門にはいかなかった。絶対に * 情報システム部門にいないから、外から見ているから言える * トヨタ社内のいろんな人にボランティアでおしえてきた * 技術が世界を牛耳ると思ったら大間違い * 支える人がいて、はじめてデファクトをとっていく * オープンにしろ * 所詮あなたの頭はそんなにすごくないでしょ * => 投資の回収をしたい => みみっちぃこというな * オープンにすると儲かる。 * それを使う人が * ノウハウを持っているなら、仲間にしろ * ノウハウを持っていないなら、コンサル料をとれ * 自動車産業の構造変化 * poppendieckと平鍋さんが見せられているトヨタ観はウソ * いっぱい団体が立ち上がる * トヨタの社長や副社長が役をやらされる * 月に一回くらいしか出れないから、黒岩さんが支えてきた * トヨタは「兵站が延びきっている」 * グローバル拡大戦略 * 富士重工が7〜8件できるくらいの売り上げの伸びなのに、社員数が増えていない * (派遣にたよっている) * 孫氏の兵法 「窮鼠猫を噛む」「敵に逃げ道をつくれ」 * なのに米国でビッグスリーをおいつめてはいかん * 請われても、断れるのはトップだけ。 * トップは孤独でなければならない * トップは平等に対応しなければならない * 本業はなんだ。マスコミを操作するな。 * 製造業における日米間経営手法の導入 * 豊田章一郎の息子、豊田章雄 * 大野耐一は生産管理屋。継いだ楠さんは生産技術屋。 * 現地現物 - ものも作ったり運んだことがないくせになにをいうか。 * 豊田は田舎なので、純粋に考えられる * 勉強はする * コンサルタントの邪魔はしないけど、勝手にやってくれ * バブル崩壊、失われた10年 * はいってきた * PMBOK, TOC, ... * 日本のIT業界がふがいない * 入ってきたアメリカのやり方を「好きだ」といえ感覚がわからない * 寂しくなる * リーン * Toyota 高丘工場: 平均在庫 2時間 * いつまでもウォーターフォール型でやっているの? * 本 * 新郷重夫 * James Womak & Daniel Jones "The Machine That Change the World" * 門田安弘: Toyota Production System * Agileという言葉 * リーンと言う名前をつくったのはMIT * リーンを超える名前として、リーハイ大学のアイアコッカ研究所が作った * 言うだけで、情報だけで何ができるの * NUMMI * アメリカにおける自動車産業の地位は高い * 80年代はじめに、日本車の品質に関する地位が認知され 30%のシェア * => アメリカの逆鱗に触れた * 多能工化 => 組合問題(職種ごとに細かい組合があった) => 2つに統合(ラインと保守) * 「上流工程」誰が決めたの?まさにアメリカのやり方。 * 60才台までプログラマやって何が悪い * 絵描きが分業するか? * 分業 - 中間搾取者が飯を食っているにすぎない * 急にやっても多能工になれない。1つ1つ教える * ソフト業はゼネコン以下。紙っぺら一枚で金をとる * オフショア。横文字つければなんでもいいのか。 * 自律的運営 * CIM(コンピュータによる自動化)に対するHIM(人による自働化) * 前と違う点は何か?「カフェテリアでNUMMIの社長(楠)と一緒に飯を食える」 * 人間性尊重の基本は平等にある * ラインストップ * できるようになるまで6ヶ月かかった。(ikebuchi) * マインドコントロールされていた。止めると給料減らす。 * テクノロジーとかメソドロジーとかでうまくいく訳がない * 現場の人が日々勉強していかないと改善できない * USのソフト業界は日本の生産(TPS)に学んでいる * 学んでいないのは日本のソフト業界 * 日本のソフト業界にに逆輸入 * 進取、現地現物、... * トヨタウェイ (2001) * 工場だけの手法ではない。病院経営、中部国際空港... * ビジョンの共有 * トヨタのDNA * お客様第一主義 * 現地現物 * 技術生産の現場とヘッドオフィスは隣接 * 人災育成に注力 * 変革のエネルギー 「変えないことは悪いことだ」 * 危機意識の強さ * 今日のメッセージ: know how より know why * すべての経済活動は「人間・機械系」 * TPSの本質は方法論やテクノロジではなく、人間力、現場力 * 腹に落ち「実践できるレベルへ」 * 常にあるべき姿をめざし「改善」しつつける人間集団を創り上げる * 問題解決、問題発見改善・改革力(人間力現場力)、人の輪と道、惻隠の情、人倫五条の精神 * TPSがめざすゴールはオーケストラ * 指揮者: ビジョン * 演奏者: 日頃鍛えてビジョンに向かう * 徹底したムダの排除 * コンピュータシステムはドキュメントでは動かない。それは価値ではない。 * お客さんはソースコード、オブジェクトコードしか必要がない * 作業者の動作 * ムダ (50%以上) * 付加価値はないが必要な作業 * 正味作業 (5-20%) * 大部屋 * コラボレーション環境 * 現地現物でものを観る目を養い、ものの価値で判断 * A3一枚で表現 (すごく訓練する) * インフォーマル活動 * 見える化 * みんなで改善する * どんな道具で見せればいいか、も改善の1つ * プルシステム * 多能工 * 「私はコーディングしかできない」「私はアナリスト」よういうわ。 * 現場作業は秒単位で分割 * それもできないのにどうやって見積もるの? * 人月を書く、仕事をしない中間の人がおかねをとる構図が悪い * カンバン * 情報の先出し禁止 * 情報が来たときにつくる * PDCAをまわす * イノベーションの改善のシナジー * 人はいかなるときに仕事に意欲、満足を感じるか? * 自律、責任、達成 ... == パネルディスカッション == * TPSとはなにか * K: 黒岩恵 * M: Mary Poppendieck * T: Tom Poppendieck * M: 「自分で考えろ」、「他国の考えを鵜呑みにするな」と言うのは重要 * K: Maryがソフトウェア以外もよく勉強しているのは尊敬に値する。 * 日本の製造業が一生懸命やっていることを学んでほしい。歴史を勉強してほしい。 * アメリカは製造業でのAgileは失敗したが、ソフトウェアでうまくいった。 * 聴衆: 学習する組織 * M: 3Mの社是: 許可を請うな。謝罪せよ * 聴衆: アジャイルとプロトタイピングの違いは何か * K: 今回のタイトル「アジャイル」を宣伝することはない。 * 僕自身はTPSの信奉者ですらない。根底にある、改善する心が重要。 * その帰結がアジャイルでもTPSでもなんでもいい。 * 今回のカンファレンスも「明るく楽しく生産性をあげようや」でいいんだけど長過ぎる * T: "Testing at the front"が違う。 * 通常の組織は最後に2/3くらいをテストに費やしているがそれは価値を生み出さない * H: テストで学び、また作っていく。テストを成長させる。ドキュメントではなく。 * 聴衆: 人間力が大事。人の感性をフィードバックさせるのが大切だというが、測れない。 * K: ソフトウェアづくりの人とディスカッションして、3文字用語が多いとか問題がある。 * どうしてそうなるか。コンピュータを相手にしていると、一部しか脳を使わない。 * コミュニケーションできなくなる。全然違う世界の人とコミュニケーションできるか。 * いろんな視点でものがいえ、考える。右脳と左脳を使う。 * 見えないものをみんなで観るような努力をしなければ改善はできない。 * しがらみで飯が食えるうちは、アジャイルを否定する。 * みんなで一緒になって改善する訓練をぜひしてほしい。 * 聴衆: アジャイル、みんなでやろうよ。気持ちよく仕事をしよう。というのは、 * ここの会場のひとはわかっていると思う。でも成果主義が対極にある * K: トヨタでも少しはやりはじめた。富士通の失敗は有名だけど、 * 日本的経営に成果主義をいれてもそぐわない。 * 日本は暗黙知、高コンテキスト文化。 * 欧米は低コンテキストなので成果主義はしっくりいく。 * 日本は、チームでよくするという考え方。でも年功序列はよくない。 * 上の人間は下の人間の成長をサポートするようにしなければならない。 * フラット化して、誰が育てるんだ? * 技術技能の伝達が重要。トヨタでも成果主義を少し取り入れたがやめた。 * 専門技能は機能別でないと育たない。 * M: デミングが言うには、stable system では目標を管理する意味があるが、 * 実際のシステムでは、システムを改善しようという... * H: 人の評価の問題、ゴールを上位が設定してしまう下請け構造。 * K: ベンダーに言ってもダメ。ユーザを洗脳して、ベンダーに注文させる。 == ランチセッション : ライトニングトーク == * スポンサー各社が行う == 事例セッション「スピードがすべてを駆逐する Part 1」 == * 山崎 裕詞 / 株式会社良品計画 情報システム担当システム企画課長 * 當仲 寛哲 / 有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所 代表取締役所長 * モデレータ:前川 徹 / サイバー大学 IT総合学部 教授、 * 社団法人コンピュータソフトウェア協会 専務理事 * PC電池切れ == アイスブレーク == * 本間 直人 / NPO国際ファシリテーション協会理事、NPO学習学協会 理事 * homma.com
午後2は、選択セッションだったのですが、体調不良で外で休んでいたら、
スピーカーの黒岩さんと本間さんの場外トークを聞くことができました。
すごく面白かったです。メモとれなかったですけど。
(スピーカー専用ラウンジを作らなかった主催者に感謝。)