「アジャイルやってないんですよね」「うちアジャイルじゃなくって」っていう話をたまに聞くんですけど、「アジャイルじゃない」って、どういうことかなぁ、と思ったりします。
アジャイルはアジャイルマニフェストで定義された言葉なので、その内容をみて、そうなっていない、というのが「アジャイルやってない」ということなのかな?
私たちは、ソフトウェア開発の実践
あるいは実践を手助けをする活動を通じて、
よりよい開発方法を見つけだそうとしている。
この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、
価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを
認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
これをひっくり返して、アジャイルやってないケースを考えてみると...
- 個人や対話より、プロセスやツールを重視してみたり
- 動くソフトウェアより、ドキュメントが揃ってることが大事だと感じたり
- 顧客と同じ方向をみるより、チキンレースや責任の押し付け合いをしてみたり
- 変化への対応はほうっておいて、計画の未達成を問題視してみたり
だったりするのかな?まあ、これだけでなく、いろいろありそう。作ってみた感触としては、なるべく具体的に考えてみると、現状と理想的な状態との差分がわかりやすくなって、改善すべき点がつかめるかもしれないなとおもいました。
同じように、アジャイル宣言の背後にある12の原則の方も、職場によって状況によって、「本当は原則のようにありたいけど、現在の現実はちがうなぁ」というのがありそう。
私たちは以下の原則に従う:
顧客満足を最優先し、
価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。
変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月という
できるだけ短い時間間隔でリリースします。ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して
日々一緒に働かなければなりません。意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。
環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法は
フェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。
アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進します。
一定のペースを継続的に維持できるようにしなければなりません。技術的卓越性と優れた設計に対する
不断の注意が機敏さを高めます。シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です。
最良のアーキテクチャ・要求・設計は、
自己組織的なチームから生み出されます。チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、
それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します
私が書いてみたのはこれです。Scrum Coachin Retreat in Okinawa で、みんなでフィードバックもらっていい感じになってきたきがします。職場ごとに違う非アジャイルマニフェストがあると思いますけど。
アジャイル宣言は、ものを作っている人にとっては、(理想として)同意できる内容だという人が多そう。だとすれば、アジャイル宣言の各項目をちょっと変えて(理想的でない)現在の状況を記述してみると、改善のヒントになりそう。書き出したら、そこから一つ一つ、よい方向に変えてみれば、幸せで成果の出る職場に近づくんじゃないでしょうか。
私としては、「アジャイルやってない」人に対して、現状どうなっているのか、あなたはどうしたいのかを、もう少し解像度上げて細く聞くきっかけにできるかも。
やってみたら、単純に楽しかったので、みなさんも自身の非アジャイルマニフェストを考えてみてはいかがでしょう!
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