「ロウソクの小さな灯を消さないでおくこと」 - 第2回IT英語勉強法カンファレンスを開催しました。

会議放送通訳として第一線で活躍されている柴原早苗さんをお迎えして、第2回 IT英語勉強法カンファレンスを開催しました。開催してくれたかおるんさん、場所をご提供いただいた日本マイクロソフト様、ありがとうございました。

レポートの達人によるレポートはこちらです。

今回のきっかけ

ISSインスティテュート という通訳学校さんに少しだけ通わせていただいた際に、そこの先生として、通訳の基礎を手ほどきしていただき、その際の柴原先生が通訳になっていくきっかけのお話や、通訳トレーニングの技法が大変参考になり、講義の最終回におずおずとお声かけしました。プロフィールはこちらです。

柴原早苗

立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科兼任講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNjCBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 著書に「通訳の仕事始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現

「ロウソクの小さな灯を消さないでおくこと」

通訳の訓練といっても、基本的な勉強法は意外とシンプルです。しかし、ほとんどが個人的な準備の努力です。ですから、並大抵の気持ちがないとついて行けない。大量の文献を短時間に読み、話者の話をできる限り理解できるようにならないといけません。ですからプロの通訳といっても、分野が違えば学び直しになります。そういう厳しい業界で、時に励まし、時に叱咤しながら、多くの人を教えてこられたんだなぁ、という点を強く感じました。

大事なコツはこれだそうです。

「ロウソクの小さな灯を消さないでおくこと」

なにかを学ぶ時には、かならず途中で嫌になったり、時間が取れなくなったりすることがあります。決して完璧主義に陥らず、もう一度立ち上がって一歩ずつ続けること。そのときに、どうしてこんなことを始めたんだっけ、どこに行きたかったんだっけ、という根源の情熱が、灯になります。

「運とご縁」「ジタバタしてもしょうがない」しかし「筆まめでいる」こと

フリーランスとして通訳の仕事を続け、そしてBBCの通訳になったことには、「運とご縁」が不可欠だったといいます。たまたま湾岸戦争があったり、たまたま先生に連絡したら仕事の誘いがあったり... そういったタイミングが重要で、ダメなときはジタバタしてもしょうがなく、次の運を待つ、というのが大事だということです。しかし、そのなかで、強いて一つ上げるのなら、「筆まめでいること」が大事だといいます。

強いて一つあげるならば、私はすごく手紙を書くのが好きなんですね。筆まめでいるっていうことも、すごくもしかすると、自分にとってはいい形でいろんな人との結び付きを維持してくれたのかなっていう風に思います。
(中略)
今までお世話になった人に近況を報告するとか。それはべつにお手紙の形で切手を貼って投函するタイプでもいいですし、メールでもなんでもいいと思うんですけど。そういった形で密に連絡を取り合っている、ということも大切なことなんじゃないかなと思います。私自身がそういうことをやったからすぐ仕事が来た、とかそういう話ではなくって、逆に私がそういうふうに手紙をかいたり、お返事をもらったりしたことから、いろんな人から生きる力をいただいて、がんばろうっていう風に思えた、ということもあります。

あきらめずに、好きなことをやっていく、そんな流儀が、勉強になりました。

ビデオはこちら

途中でカメラの設置位置を直すのを忘れていたため、フレームから外れ気味ですがすみません。


※2の途中の通訳トレーニング部分は、著作権の配慮から削除してあります。


実践的なトレーニングも勉強になりました。
ありがとうございました!