2011年7月からアギレルゴコンサルティング株式会社に転職し、フルタイムで海外講師のアジャイルの研修や社内研修などのお手伝いをして参りましたが、2012年4月より、楽天株式会社さんにお世話になることにいたしました。アギレルゴコンサルティングからは退職いたしますが、引き続きボランティアとして可能な限り研修のお手伝いをさせていただくつもりです。
転職のきっかけ
今回、楽天株式会社に入社するきっかけは、藤原大 ( @daipresents ) さんからお誘いを受けたことです。藤原さんは楽天でアジャイル化を推進しており*1、チームに一つ一つ入り、アジャイル適用していくスタイルをとっているそうです。より多くのプロジェクトを支援したいのだけれど、手が足りない、というお話をいただきました。
過去に藤原さんが支援したチームの及部さんがDevLoveで発表した際にも、お話をお伺いすることができました。また、過去によしおか (@hyoshiok) さんからもへべれけになりながら、楽天どうですか〜、という話をしたような気がします(うろ覚え)。入社面接プロセスでも、みなさんの思いを伺うことができました。アギレルゴコンサルティングの代表である谷口さんからも「かわぐちさんにとってすごくよい選択だと思います。」というありがたい言葉を頂きました。決断には何ヶ月もかかったのですが、ありがたいことに、今回この機会を頂くことができました。
楽天では、社内的にもアジャイル適用を推進する考えをお持ちのリーダーが多いそうです。UXやAgileUXの取り組みを進めている人たちがいます。全社的に英語化を推進しており、海外の子会社や、日本語を話せない従業員の方も増えています。クラウドについても取り組みを進めている人たちがいます。Rubyを使う機会もありそうです。がっちがちのビッグデータがあります。勉強会の達人がいます。有名で実績あるベンチャー創業者がいます。そこには、私の求める全ての環境があるのではないか、と考えています。
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「肩書きも所属も関係なく、身一つで現場に放り込まれても、変化を生める人間になる」
とはいっても、私の役職は経営者でもCTOでもありません。ふつうに一社員として入ります。1000人を超えるデベロッパーの中で、私一人では、何もできないかもしれません。しかし、とにかく一度チャレンジしてみようと背中を押してくれたのは、IT英語勉強法カンファレンスで登壇いただいた柴原早苗先生に紹介していただいた、瀬谷ルミ子さんの本でした。瀬谷さんは日本人初、世界でも数少ないDDR(武装解除・動員解除・社会復帰)の専門家で、ルワンダ、シエラレオネ、コートジボワール、アフガニスタンなどで活躍されてきました。この仕事は現地の人々や国連、NGOやそれを資金的に支援する人々がなければ成立しない、非常に難しいものなのですが、その原点になった思いに強く心を打たれました。
「肩書きも所属も関係なく、身一つで現場に放り込まれても、変化を生める人間になる」
ルワンダを訪れた二十歳のときに強く感じたこの思いが、私の仕事の目標になった。
組織というのは、人間がなにかをするには、難しすぎるのではないかと、思うことがあります。大きな会社であれば、ステークホルダーもたくさんいて、自分ではどうしようもないこともたくさんあるかもしれない。しかし、瀬谷さんがJCCPという日本のNGOを率いることを決めた際の一言が私の心を打ちました。
紛争で壊れた社会を立て直すと散々言っておきながら、実際には壊れた組織一つも立て直せないような人間では、ちゃんちゃらおかしくてプロとは言えないのではないだろうか。
別に戦地に行くわけではないのですが、新しいチャレンジを始めるにあたって、大きく背中を押された思いがしました。
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謝辞
というわけでして、4月から楽天さんでお世話になる予定です*2。
アギレルゴコンサルティングでは、多くの皆様に、多大なご支援を頂きました。十分な恩返しができないままの転職になってしまうことが心残りではありますが、今後も変わらないおつきあいを頂ければ幸いです。
一人称から、組織をアジャイルにすることを目指す皆様へのご支援を、今後も、できる限りしていきたいと考えています。ぜひ勉強会などにもお声かけください。一緒に悩んでいきましょう。
(追記)アギレルゴの研修もよろしくおねがいいたします。
メアリー・ポッペンディークさん、ジャネット・グレゴリーさん、と非常に評価の高い講師の方が続々と来日する予定です。海外に出て行って話を聞くこと考えれば、非常に密接なコミュニケーションができますし、通訳を格安で利用することができるので、大きなチャンスだと思います。ぜひともご検討ください。