スクラムフェス大阪に実行委員として参加してきました

スクラムフェス大阪に実行委員として参加してきました。RSGTの雰囲気を気に入ってくれたスクラム道関西の人たち中心に、立ち上がりから実施までコンパクトに行われたカンファレンスでした。スタッフはたった13人。実行委員会は4-7人くらいで作業を進めてる。燃え上がらず、燃え尽きず、よい場所をちゃんとデリバリーする。そういうのがちょっとできた気がしました。

f:id:wayaguchi:20190225090018j:image

個人的な思いですみませんが、ちゃんとダンプしておこうかな、というのがこのエントリです。

www.scrumosaka.org

東京から実行委員会に参加しながら、なんとなく考えていたこと

第一回のスクラムギャザリング東京でCEDECにご協力いただいた縁がきっかけで田口さんのスクラム事例に感動したり、オージス藤井さんにはいろんなカンファレンスでご支援いただいたり、2011年にCopeのCSPO研修をやったり、2012年以降は楽天の大阪支社に講師として何度も呼んでもらったり、関西からRSGTに多くの人が来てくれたり、仕事面で大阪に育ててもらった部分がたくさんあります。今回は大阪で久しぶりにCopeの研修をするというタイミングもあり、楽天を辞めたばかりでいくばくかの自由な時間もあり、できることはなんでもしよう、と思ったのが今回実行委員をしたきっかけです。

そこにいる人でできない作業はない

カンファレンスの準備や運営の作業って、基本的にはそこにいる人でできないような高度の専門性を求められるものってほとんどないと思っています。カンファレンスのテーマをやりたい実行委員が普通に持っているスキルでなんとかなる。知らなくても調べればよい。時間が足りないと難しいけど、知ってさえいれば最低限は実行可能なものが多くて。かといって、それをやりたい人もいないのですが。だから、お金を支払って業者さんに手助けいただく道もあるし、やることを絞って自分たちで手作りできる範囲に抑えることもできる。大事なことは、ちゃんと選択することかなって思います。

まずは「できる範囲でやる」っていう判断がちゃんとできることが大事かなと。

f:id:wayaguchi:20190225065720p:plain

大阪の人たちが考え、RSGTの知見で補完する

RSGTはイベント業者さんに手伝っていただいたこともあるし、自分たちでやったこともあります。基本は大阪の人たちが考えるベストな方法で進めるとして、RSGTの開催を通じて知っているノウハウがあれば、お渡ししようと思いました。わざわざ大阪に行く必要も、実行委員になる必要もないと思うかもしれません。しかし、仕事でもそうですけど「わからないことは質問もできない」という人間の認知の問題がありますので、「なんでもメールで聞いて!」モデルも「次のミーティングでまとめて聞いて!」モデルもなかなかうまくいきません。初めての時こそ、同席(Sit Together)が有効で、必要と感じたらすぐ手伝える体制で横にいるのが大事かなと思います。

2019.scrumgatheringtokyo.org

自分がいなくても10年使える仕組みをちゃんと考えながら

今回、イベント業者さんは使わなかったのですが、グッズの製作や会場など、多くの関係業者さんと話をしないといけないですし、スポンサーさんや登壇者の方々にも連絡や相談が必要なことがあります。どこかにブラックボックスを作ってしまえば、来年他の誰かがやるときに問題になるかもしれない。どういうタイミングで、何を誰におねがいしないといけないのか、ちゃんと残しながら、かといって重要なコンセプト以外の議論に時間をかけずにすすめていくことを、考えながら参加しました。たぶん、大阪でずっと同じようなカンファレンスが行われることが、みんなにとってよいと思うからこそ、このカンファレンスをやってみるわけで、そこそこ成功するなら、それはたぶん、続けてほしいということになる。そうなったときに続けられないような情熱や仕組みでやってしまうと、寄付金だけ集めて逃げる詐欺業者、とまでは言わないですけど、ちょっと残念な感じがします。実行委員の人たちがやめたくなったらやめればいいんですけど、できるだけ自由な判断ができる状態を作っておきたいと思いました。

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

 
「謎の人」

恩返しの意味はあるにせよ、個人的には特にはっきりとしたメリットがあるわけではないのですが、そうなると、なんで来るの?って感じになりますよね。旅行や出張がそんな好きなわけでもないし、今回はアギレルゴで旅費を出してもらってますけど、アギレルゴがそんなに儲かるわけでもない。

メリットが明確になってから努力を傾けることは誰にでもできるので、そうではないとこに努力を傾けてこそ、世の中にとって価値があることにつながるのではないか?とちょっと思いながら、タガを外す。ただ、思い余って無理をしないこと。誰も見てないとしても、淡々と貢献する。他の人がやりそうなことでもないので、やっておけば学びも多いです。まとめると、さして深く考えてませんでした。

www.jp.agilergo.com

資金がないとしんどい

初回のカンファレンスで一番辛いのは、資金繰りだったりします。今回は東京からの支援とか、Scrum Alliance からのスポンサーとかも確定しないし、参加者も何人来てくれるのかわからないわけで、それで運営に失敗すれば、お金だけがマイナスになる。これはやったことがある人はわかると思いますが、思った以上にしんどいです。

今回はありがたいことに、かなり初期からいくつものスポンサーについていただくことができ、会場も関西大学さんにお借りすることができ、資金の面では安定した運営を行うことができました。黒字分は、法人税等を支払った上で来年の催行に回すことができます。

そのあたり、スクラムギャザリング東京を始めた2011年とはだいぶ状況が変わっているのを実感しました。心強かったです。いつもの関係先に、ちゃんとご支援をお願いするというのもできました。慣れてないと意外と難しいと思います。普段のみなさんの活動がすごくプラスに働いて、無理のないところからご支援をいただくことができたのではないかと思います。 

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

 
はじめて何かをするときに起きがちなこと

 これはScrum Fest 大阪で起きたことではないのですが、初めてアジャイルをやるとか、カンファレンスをやるところに立ち会ってきて、起きがちなことがあると思います。

  • 100対0の雑な議論が起きがち
  • 実現性のないアイデアも話が盛り上がりがち
  • やったことがある人がマウントしがち
  • 途中でも原則論でひっくり返したくなりがち
  • その結果、議論や作業の時間がなくなりがち
  • 持ち帰り作業が増えると一部の人が疲弊しがち
  • 一部の人が疲弊すると、次にやってくれなくなりがち

 作業時間内で、まず実現可能な選択肢を作り、その中からちゃんと選ぶ、というのを心がけました。リーン製品開発でいうセットベース開発に似てるかもしれません。

リーン開発の本質

リーン開発の本質

 
たくさんの笑顔をみることができたので、きっとちゃんと続く

今回は多くの笑顔をみることができました。チケットの販売も好調で席が足りないくらいでしたし、セッションもよかったし、スタッフも大変だけど次にやりたくないほどではない感じがしてます。ほっとしました。すべての関係者のみなさま、本当にありがとうございました。続きそうでよかったです。

f:id:wayaguchi:20190222202719j:plain f:id:wayaguchi:20190223093845j:plain

f:id:wayaguchi:20190223094119j:plain f:id:wayaguchi:20190223112211j:plain

f:id:wayaguchi:20190223163611j:plain f:id:wayaguchi:20190223163614j:plain

f:id:wayaguchi:20190223163628j:plain f:id:wayaguchi:20190223163624j:plain

f:id:wayaguchi:20190223163511j:plain f:id:wayaguchi:20190223181559j:plain