今年始めさせていただいた事の一つは、エンジニアライフさんでちょこっと連載を始めた、「開発チームを改善するためのスクラムTips」です。
3月くらいからスクラムについてなにか書く、というお題をいただいていたのだけれど、私にどのようなことが書けるのか、全く思いもよらず、のらりくらりとかわしてました。
「スクラムギャザリング東京」だとか「Scrum Boot Camp」という企画をみんなでわいわいと進める過程で、これからスクラムを始める人に、どういった事を話したらいいか、ということに考えを巡らせる事が多くなって、うーん、そうか、こういう風に言ったら通じやすいのかな、というポイントに、自分なりに気付く点があったので、そういう事を、ひとつひとつ文にしていったらいいのかな、という風に思うようになりました。
そこで、夏くらいに正式にお話をお受けする事にし、秋からの連載スタートとなりました。
- 開発チームを改善するためのスクラムTips インデックス
連載のコンセプト
記事の作り方としては、主に勉強会の飲み会でお話しして、ウケがよかった話から、スクラムを構成する主要な要素をうまく説明できるような順番を考えながら、ひとつひとつ書いています。
スクラムを作った人々は、世の中にあるいろいろな仕事の進め方を研究して、自分たちの職場に適用してみて、うまく行く方法の最小限のセットを切り出したような作り方をしていますので、一つ一つのツールをとってみると、どこか他の本で読んだようなライフハックだったりします。
私自身は、その一つ一つを、自分のこれまでの人生での体験をもとに勝手に解釈して納得しているわけです。これを他の人に言うのはとても恥ずかしいんですけど、そういう恥ずかしい事を言う事で、一緒に納得してくれたり、違うと言われたり、もっといい話をドヤ顔でされたり、そうやって、ストーリーというのが出来上がっていきます。
今回は、コンセプトとして、最初はあまり「チーム」を意識せず、個人の目線で書こうと決めました。スクラムはその基本として「チーム」を重視しています。チームでプラクティスを行おうとしたり、チームの良さを組み合わせて組織全体をよくしようとすることは、本質的に、とても大きな複雑性を持つわけですが、一つ一つのツールは、一人で使う場合、あきれるほど、シンプルなんです。
なので、まず、その一つ一つのツールの理解を、日常体験や素朴な疑問に紐付けながら、書いてみよう、というわけです。
第1回 「ほう・れん・そう」を15分の朝会に置き換える
一回目の素朴な疑問は、「ほう・れん・そう」を取り上げました。ほう・れん・そうというのは、報告・相談・連絡の略で、新社会人におじさん達がドヤ顔で説明する、鉄板のネタな訳ですが、これを言われても、具体的にどうすればいいか、わからないネタでもあると思うんです。
「ほう・れん・そう」が目指している、早期のコミュニケーションを実現するために、スクラムでは「デイリースクラム(朝会)」によって具体的に実現する方法が提案されていますので、その説明を試みた、というのが第一回の記事でした。
第2回 “なる早”タスクにスケジュールを乱されないための「バックログ」
第2回からはバックログを扱いました。エピソードとしては「なる早」です。「なる早」の依頼をどのような順番でこなすかで、自分の生産性が大きく変わってくると言って過言ではないと思います。まずは、自分の状況を確認するために、ムダと思えるかもしれないけど、書きだす時間をとってみましょう、という話にしました。
スクラムでは2種類のバックログが定義されています。チームが作ろうとしているものの機能や価値といったものを見える化するプロダクトバックログと、そこから2〜4週間の「スプリント(イテレーション)」で何を完了させるか、という点を切り出したスプリントバックログです。
しかし、そもそも「バックログ」という単語が伝わりづらいと思いましたので、この点を扱いました。とても似たやり方に、GTD(Getting Things Done)という手法があります。(あまり詳しく知らないのですが)
第3回 バックログで、動的に計画変更できる仕組みを作る
第3回は、バックログを使って具体的に「なる早」に対応する方法を書きました。
実は、第2回と第3回は、元は一つの記事でした。バックログを書くことの目的は、現在の状況を整理して、動的にベストな計画に組み直すに決まっています(少なくとも私の中では)ので、一つの流れで書いたのですが、ドラフトを読んでもらった人に、ちょっと詰め込みすぎだという指摘をもらいましたので、2つに分ける事にしました。ですので、第2回は「生成編」で、第3回は「適用編」になっています。
まだ、しばらく続きます。
というわけで、大変ゆっくりとしたペースで書かせていただいておりまして、次回は、年明けの更新になる予定です。一応、もうしばらく続けたいな、と思っておりますので(笑)、もし気になったら、ぜひご一読いただければ幸いです。