樽本さんの新刊 「アジャイル・ユーザビリティ ―ユーザエクスペリエンスのためのDIYテスティング―」の発売記念ということで、ジュンク堂でトークショーをする企画に、司会という謎の役割で参加させていたきました。
「ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方 -」の翻訳チームから脇坂さん、「アジャイルサムライ−達人開発者への道−」の翻訳チームから監訳の角谷さんをお招きして、アジャイル、UX両方の側面から、Agile UX に迫ってみました。
樽本さんからはアジャイルUXの歴史の話や本のねらいをお話しいただきました。脇坂さんからは、UXの実務に長年携わってきた方ならではの現場の話を聞けましたし、角谷さんからはアジャイルの成立過程のご説明から、プログラマー/アジャイラーの視点からのUXに関する質問をいただきました。
樽本さん、角谷さん、脇坂さん、素晴らしいお話をありがとうございました。貴重な機会をご提供いただきました、ジュンク堂書店 池袋本店様、ありがとうございました。
パート1 : UXヒストリー と アジャイルの成立
- お客さんの属性調査 : アジャイル/開発者系 と UX/デザイン系が半分くらい
- 樽本さんによるアジャイルUXヒストリー
- 人間工学: 戦闘機のコックピット、操縦ミスをしないように
- 認知工学: ドン・ノーマン
- ユーザビリティ: 1980〜90年代 GUI の 発展で専任のオペレータ以外の人もコンピュータを使うように
- 80年代終わりから90年代に現在の源流になる方法論が有名に
- ヤコブ・ニールセン : five user test, discount usability テストは5人でいい。軽快に
- ジョン・キャロル: Scenario based design
- カレン・ホルツブラット、ヒュー・バイヤー: エスノグラフィックな手法 Contextual Design, contextual inqury
- アラン・クーパー: Visual Basic の原型、ペルソナ法
- ドン・ノーマン: "認知科学" の成立、アップルでのユーザーエクスペリエンス担当バイスプレジデント
- 1999年: ISO 13407: HCDの成立
- アジャイルの成立
- UXの仕事の変化
- 従来は、調査結果のドキュメントがアウトプットだった
- しかし、アジャイルなプロジェクトが増えると、仕事の進め方に変化が必要になった
- 作者: ヤコブニールセン,篠原稔和,グエル
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2000/08/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 37回
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Making Use: Scenario-Based Design of Human-Computer Interactions
- 作者: John M. Carroll
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 2000/09/18
- メディア: ハードカバー
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Contextual Design: Defining Customer-Centered Systems (Interactive Technologies)
- 作者: Hugh Beyer,Karen Holtzblatt
- 出版社/メーカー: Morgan Kaufmann
- 発売日: 1997/09/01
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: アランクーパー,Alan Cooper,山形浩生
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2000/02
- メディア: 単行本
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誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
- 作者: ドナルド・A.ノーマン,D.A.ノーマン,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1990/02
- メディア: 単行本
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パート2: Agile meets UX
- UCD/UXの人々がアジャイルと交わり始める
- アラン・クーパー vs ケント・ベック
- 樽本さんの「アジャイル・ユーザビリティ」のネーミング秘話
- ユーザーテスト
- いかに自分がユーザーのことについてわかってないか、的外れかわかるようになる
- QA的なテスト「総括的評価」から、発見のためのテスト「形成的評価」へ
- 2週間のイテレーション/スプリント の間で行えるユーザーテストへ
- 評価する側にも、コンテキスト(製品の内容)知識がないとテストできない
アジャイル・ユーザビリティ ―ユーザエクスペリエンスのためのDIYテスティング―
- 作者: 樽本徹也
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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パート3: アジャイルなユーザーテストの実践Tips
- アジャイルなユーザーテスト
- ユーザーテストの日を固定する
- 木曜日の午前中はテストの日、ランチタイムにみんなで分析
- Skypeでスクリーンを共有してテストする
- ユーザーテストの日を固定する
- ユーザーテストの粒度はユーザーストーリーの達成確認
- しかし、ユーザーストーリーの内容によってはユーザーテストできないこともある
- チームの複数名がユーザーテストに同席する
- ユーザーテストの時間が長くなければ、情報共有の時間をとるより同席した方が早い
- 見学のノウハウが必要 => 本に書いてあります
- 仕様を決める人の考え、設計する人の想像と、実際に使ってもらったときの反応のズレ
- アジャイルチームでユーザーテストをうまく始めるコツ
- ユーザーテストの粒度は、ユーザーストーリー単位だと小さすぎる
- 複数のストーリーのつながり
- ジェフパットンのストーリーマッピングにおける「アクティビティ」(ビデオ内では「タスク」と言ってますが間違いでした。)
- 質問: 学生を被験者として協力してもらう場合の注意点は?
- ストーリーについての混同
- ソフトウェアと自動車の違い
- 自動車は、ほとんどの機能は人間がいなくても作れる
- ソフトウェアは、ほとんどの機能は人間(ユーザー)がいなければ作れない
- ユーザーストーリーとストーリーテリングには親子関係のようなものがある
- ソフトウェアの要求は、人と人の間にある
- それぞれの人の頭の中にあり、
- 図を描いても雰囲気しか伝わらない
- どうやったら伝えるか?人間が連綿と培ってきたストーリーテリングの力が....
パート4: ストーリーテリングの力
- ストーリーテリング
- 元々は、ビジネスの分野で共感を得るためのストーリーテリングが話題になった
- それを、ユーザーエクスペリエンスの世界で、ユーザーがうまく使えているか、というところに利用するのが、この本 ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方 -
- TED もストーリーテリングの一例。短時間で必要性を伝える
- 質問: 企画そのものが間違っている場合に、アジャイルあるいはUCDではどう対処するか
- アジャイル開発にはできることは少ない。開発をうまくやるための仕組みなので。
- 開発者がいないところでいろいろなことを決めるからよくない。もっと早く呼べと
- UX担当も、後行程で呼ばれて問題を発見しても直せない
- アジャイル開発にはできることは少ない。開発をうまくやるための仕組みなので。
- リアリー・リスニング
- 顧客の本当の声を聞く
- 阿川佐和子の「聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)」がまさにそれだった。個々まで書いてあるのは英語の本でもなかなかない
- プロジェクトの一番最初から、いろんな人を集めてプロジェクトを始めよう!
- 小さく始め、プロダクト/プロジェクトの文化を育て、バーンレートを抑えながら、顧客を見つけ..
- リーンスタートアップが流行っているのは、まだみんなできていないから。まだチャンスがある。
- 10年やればなんでも熟達できるけど、一人で全部熟達するのは無理だから、いっしょにやりましょう
ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方 -
- 作者: Whitney Quesenbery,Kevin Brooks,UX TOKYO
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2011/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 阿川佐和子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/01
- メディア: 新書
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- 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール,小山龍介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: 大型本
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- 作者: スティーブン・G・ブランク,渡邊哲,堤孝志
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/05/09
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広告: リーンソフトウェア開発の提唱者 Mary Poppendieck のリーダーシップ研修があります
リーダーのマインドシフトこそが、現在、求められています。
技術者の変化に対応した、新しいマネジメントスタイルへ!
メアリー・ポッペンディーク「Leaders' Workshop (リーダーのためのワークショップ)」 4月9日〜10日 (同時通訳付き)
日付: 2012年4月9日(月)〜10日(火) :2日間 時間: 10:00 〜 18:00 開催場所: 株式会社豆蔵 トレーニングルーム ( 西新宿 ) 価格: 20万円 + PDU発行の場合は事務手数料5600円を申し受けます PMI日本支部様のご協力により、PMP® 14PDU (カテゴリA) が獲得いただけます。 主催: Poppendieck.LLC & アギレルゴコンサルティング株式会社 事前予習教材がありますので、お早めのお申し込みが効果的です。