- 作者: 井庭崇,岡田誠,慶應義塾大学井庭崇研究室,認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2015/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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丸善出版の担当さんから一冊お贈りいただきました。ありがとうございます。
この本の出版にはちょっとだけ関わらせていただいていまして。以前、井庭先生から連絡があり、認知症のパターンの本を出版しようと思うんですけど、ご紹介いただけないでしょうか、と。そこで「Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン」や「ユーザエクスペリエンスのためのストーリーテリング -よりよいデザインを生み出すストーリーの作り方と伝え方 -」でお世話になった担当さんをご紹介しました。結果的に素晴らしい本になって、よかったです。初刷りをいただいていたのですけど、レビューするのがズルズルとこんな遅くになってしまいました。すみません。
認知症にかかわる人間活動のパターン
認知症になった方、その方の周りのご家族、本人周囲含め全体にかかわるパターンを集めた本です。井庭先生のパターンの本では定番ですけど、各パターンにイラストがついていて、今回はそれが目次になっています。
パターン名とイラストは、パターンを読んだ人たちにとっては、思い出すきっかけになるキーイメージです。本全体を頭に入れて話し合うことなんてできませんので、このイメージが読むきっかけになったり、話し合いのときに思い出すきっかけになったりします。
介護や子育てにも通じる、社会生活のパターン
読んでいて思ったのは、ここに書かれたパターンのほどんどは、認知症かどうかに関わらず、深く人間の社会活動全般にかかわるパターンだなぁ、ということです。例えば、「5.旅の仲間」「6.できることリスト」「7.自分の日課」「8.自分をあらわす部屋」などは、なんといいますか、自分が自分であるために、苦しい時にも着実に前に進むための心の持ちようを育む普遍的なパターンに見えます。「28.おもしろ化」なんて、まさにチームビルディングそのもの。
この本を一冊リビングに置いて、家族みんながパラパラめくる、なんて風景を想像しました。パターンがそういう風に活かされていくのも、なかなかワクワクします。この本が十分に薄く作られているのにも、そういう意図がありそうに思いました。
私も実家に一冊、さらりと置いてみようと思います。