ゼネコンとITゼネコンとデスマーチと工程修正

よしおかさんがざっくりいいきるときは、だいたい適当なので、突っ込んだ方が損した気になったりするものなので、適当には適当で返しておこうと思います。なのでこちらの話はとても適当ですので、突っ込まれると知識不足が露呈しますが、予めご容赦ください。

システム管理者、感謝の日イベントに参加した。 - 未来のいつか/hyoshiokの日記

どんなプロジェクトも工期通りに終了する。工期が遅延して品質もぼろぼろといういわゆる「デスマーチ」のようなものは建設業ではほとんど起きないそうである。それはやっぱり工事現場だとものが出来ていくのが見えているので、ヤバい問題はわりと早く発見できるかららしい。結局、問題を可視化して、早期に問題を発見し、早め早めに手を打つということらしい。

建築プロジェクトではデスマーチの代わりに工期遅延が起こる

ワールドカップやオリンピックごとに、建築間に合うのか問題が起きているのは、日本じゃないから、という事なんでしょうか。うまくいってない工事というのもあり(東京青山の億ション工事で最強トリオが引き起こした前代未聞の大失敗)、そこまでいかなくても、ディテールを修正して間に合わせるという判断も起きているはず。そういう意味では、細かな要件の見送りや削減は日常茶飯事でしょう。土地図面の信頼性はあまり高くないらしいので、掘ってみないと分からないことは多いっぽいです。掘ってみたら遺跡が出てきて大幅な工期遅延ってよく聞きます。都市伝説かもしれませんが。

IT業界のゼネコンさんも同じこと言いますよね

たぶん、SIer(IT業界のゼネコンさん)も同じこと言うと思います。「うちは要件定義と調査能力に強みがあるので、発注いただいた後の工程の大きな変更は起きないですし、問題が起きてもすぐに対応していますので、デスマーチのようなことはなかなか起きないと思います。ただ、もちろん、お客様のご都合になるべくあわせ、最終的にはなんとかします。」とかとか。
実際は営業さんと付き合いがあまりないのでよく知りません。適当です。

分かってない人が出ていって約束しちゃう問題

ソフトウェア業界の問題は、従来は請け負ってこなかった分野をパワポ一つで取りにいってしまう、エンジニア経験のない営業さんが起こしている部分もあるのかもしれません。業務要件をきちんと理解し、PMBOKITILをきちんと勉強していれば防げるたぐいの凡ミスも多いんじゃないかと推察します。エンジニアサイドで昔からよく聞く話は「営業がこんなの約束してきやがった。」です。

あ、関係ないですけど、だいぶ前に、引っ越し屋さんも同じこといってました。

そもそもエンジニア知識を持っている人が足りない問題

たぶん、日本のソフトウェア業界ではエンジニアリング知識(コンピュータサイエンスとまで言わないまでも)を持った人がすくないので、そういう人が営業することもないし、顧客やユーザーとの折衝に入っていくことも最後の手段と見られています。そんなことよりコードを生み出せ、と言われていると思います。でも実際は、エンジニア知識がない人がたくさんのムダな仕事を生んでいたりして、結局すり切れるまでエンジニアが火消ししている、なんて状況がたまにあります。ちょっとできる若いエンジニアの人からすれば、そういう時に頼られることがカタルシスだったりしますし。

あ、これ20代くらいの自分を見返して書きました。すみません。

得意分野でないとこをカジュアルに攻めちゃう問題

建設業界のゼネコンさんって得意分野が明らかで、作ったことがあるものを量産するタイプのマンション建築ではそういうのが得意なメーカーさんが優位性を持っているようです。ちょっと難しいのを中心に請け負う最先端のメーカーさんもあるみたいです(ブランドがある)。構造設計が難しい橋梁建築も、特定の会社しか受けないと聞きます。

ITゼネコンさんも以前は分野が明らかで、ノウハウの蓄積先も明瞭だったのでしょうが、そのあたりが徐々に崩れてきて、技術者もキープできなくなって...というのがここ10-20年くらいの流れではないかと思います。これはたぶん順番としてはITが早くきていて(クラウド)、徐々にモノ作りメーカーの技術者に進んできている、という感じもします(もちろんモノ作りベンチャーさんは以前からたくさんいますけれど)。

追記: 建設業における労働災害発生状況

Facebook の方で、Yoshiya Tachikawa さんに、「事柄、建設業の方と接する機会が多いのですが、結構デスマーチありますよ。分かり易い例だと工事中の事故が起きた時とか。事故だけでも年間2万件以上ありますので。」というご指摘をいただきました。ITだと精神疾患が多く判定が難しいため、労災の適用になる比率は多くないかもしれません(そういう意味では、建設業界の方が労働災害が明確に見える化されている、と言えるかもしれないですが、そんなこと分かっても誰も得しないですね)。

建設業における労働災害発生状況
http://www.kensaibou.or.jp/data/statistics_graph.html

えーっと、こういったデータを元に、建設業界とIT業界の優劣を論じる気はありません。
ITゼネコン」という単語が正しいかどうかにも、興味はありません。