昨日、デジタルガレージさんが開催された、実践的User Experience ワークショップ に行ってきました。参加された方は、60〜70人くらいはいらっしゃったでしょうか。熱気あふれる素晴しい場でした。同時通訳もあり、運営はいろいろ大変だったのではないでしょうか。ありがとうございました。
素晴しい報告がありますので是非どうぞ(丸投げ?)
リーンスタートアップのブームについて感じていること
Eric Ries が秋に出版する予定の本が、出版前なのに大変盛り上がっているようです。Kindle版をプレオーダーしました。すみません。
シリコンバレーにあるスタンフォード大学の先生であるスティーブ・ブランクによる、この本でリーン・スタートアップが有名になったようです。
- 作者: スティーブン・G・ブランク,渡邊哲,堤孝志
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/05/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Janice Fraserさんによると、リーンスタートアップの概念は、
から来ているそうです。
このリーンスタートアップのブーム、というのは、シリコンバレーを始めとするアメリカの不況を反映している、ような感じです。大企業でもレイオフをするのがアメリカですので、簡単に失業します。実力があるけど、雇い主が簡単に見つからないなら、自分で作ってしまえ、成功して実力が認められれば生計は成り立つし、企業が買ってくれることもある。Facebookを見よ。... という雰囲気を感じます。
それを支援するシードマネーも小口化が進み、Y Combinator のような育成とベンチャーキャピタルを兼ねる業態も増えてきました。スクラム創立者のジェフ・サザーランドもそういう仕事をしています。
「スクラム、イノベーション、仕事」 by ジェフ・サザーランド - kawaguti の日記
そこで利用されている手法は、新しいものではなかったりします。Lean UXで参照されているものも、UCDの技法だとはっきり言っていましたし。でも、新しいものでないからといって、その道具をうまく新しい状況で使いこなせるかというと、そんなことはないんです。
特に難しいのが、小さくなることです。10の時間があれば確実に成果を出せる、と考えたものを、2の時間でやる、というのは、失敗する可能性が極めて高くなります。もしかすると、そのなかで、うまく本質だけ残して新しいやり方を考えれば、2でもそこそこ、4くらいならまずまずの成果が出せるようになることもあるかもしれません。これが、イノベーションなんじゃないでしょうか。
私が知る限り、ここ20年以上、世界はチープ革命で未来を切り開いてきました。顕著なのがコンピュータチップで、ムーアの法則というのは皆さんご存知と思います。クラウドもそうです。電算機室の共同利用モデルが、パーソナルコンピュータで書き換えられ、今度はクラウドと多様化するネットワーク技術がそれを塗り替えようとしています。
そういうながれのひとつが、リーンスタートアップかもしれません。もちろん、一時期の流行の面もあるとおもいますが、そこには時代の状況に求められた本質も、もちろんあるだろうと考えます。
おそらく、技術なんてものは、誰かに所有できるものではないんです。所有できないから、特許という仕組みを考えた訳ですが、特許で守れる部分は限定的で、時間も有限です。でも、特許で守られるかどうかに限らず、みんながイノベーションを起こすようになり始めた。そこに一つの流れがあると感じます。
あまり根拠ありません。ご使用にはご注意ください。
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アジャイルとUXを10年間見つめてきた Jeff Patton さんの認定スクラムプロダクトオーナー研修。その名も「情熱プロダクトオーナーシップ」を10月20-21日に行います。
http://d.hatena.ne.jp/wayaguchi/20110802/1312246326
その他、スクラムギャザリング東京にも登壇されますので、ぜひ足をお運びください。
勝手な分類ですみませんが、アジャイルとUXに興味がある、そんなあなたには3つの選択肢があります。
これはコストの順に並べているだけですので、得られるものはそれぞれ、あなた次第です。
あ、一つ忘れてました。
- スーパー松(?) : Agile 2012 Conference
ぜひテキサスでお会いしましょう〜。