スクラムブートキャンプ "プレミアム" が目指したこと。

スクラムを学ぶにあたって、認定スクラムマスタ研修というのが行われていますが、海外の達人から直接学べる一方で、そのコストはどうしても高くなってしまいます。

日本人のコーチ、しかも、Scrum Alliance への登録という特典を排することで、比較的リーズナブルに、スクラムを体感できる研修を作れないだろうか、という話をずっとしてきて、その試みをScrum Boot Camp として、過去に数回おこないました。多くの方のご来場いただき、大変ご満足をいただいていると認識しています。

ただ、Scrum Boot Camp は、基本的には無償(教材実費のみ)で行っており、講師の労力も企業の会議室も持ち出しになってしまいます。私たちはスクラムの普及活動を継続的に行っていくにあたって、まだベターな方法があるのではないかと思っています。

今回、そのためのトライアルの一つとして、有償版のスクラムブートキャンプを作ることになりました。日本では一番名前のあるスクラムな講師を2人揃え、PDUもつけて、5万円を切る値段となっています。初めての試みですから、本当に人がきてくれるのか、妥当な価格はいくらだろうか、どの程度資料を用意すればいいのか、そういったことが全て手探りの中、行われています。(私の経験では、そういう場合はだいたいオーバースペックになるので、費用対効果は高めになります。リスクにはそれなりのリターンがあるものです)

国際標準的な有償研修をやるにあたっての壁

国際標準的な有償研修をやるにあたっての壁が2つあると感じています。

一つ目は言語の壁です。北米・欧州はもとより、中国、インド、中東でも、英語での研修が可能なようです(もちろん反例はあります。ラテン語圏はそちらのネイティブ講師がたくさんいそうですが、よくしりません)。海外の講師を呼ぶと、通訳がある方がスムーズになります。しかし、通訳はディレイがありますし、コストもかかる。とくに座学ではなくインタラクティブなワークショップをやる際には、制約が多いと感じています。講師の著作物がタイムリーに読まれていなかったり、参照している別の著作が訳されていなかったり、という日本語圏の課題もあります。一方で、通訳を外すことも試みていますが、こちらは集客上の困難を抱えます。徐々に英語を苦にしない技術者が増えてきていると思いますが、会社の研修費を使い、レポート義務があるとなると、なかなか稟議を通すまでの壁が高いのが悩みかと思います。

二つ目は賃金体系の壁です。北米・欧州のソフトウェア技術者の給与は、日本に比べて高いようです。この給与には、おそらく自己研鑽のための投資も含まれているだろうと思います。自分のスキルや専門性を、自由に選び、自分に再投資するエコシステムがあります。一方で、日本では、セミナーは会社の教育研修費を当てにすることが多く、上司の決裁がなければ、参加できない、という声が多く聞かれます。マネージャーは当期のROIに強く縛られていますから、当人は先行投資したいと思っていても、実際にはなかなか難しいケースが多い印象です。自分はよいと思っても、さらに上司、その上司を説得するまでの材料を集めるコストが高いため、そこにリソース(自分の時間)を投入するリスクが高くなっているだろうと想像します。

いろいろと試行錯誤しながら、徐々にこの壁が崩れていけばいいな、と願っています。

ワークショップ「Scrum Boot Camp Premium」2月25日開催、参加申込受付中

  • 日時: 2月25日の10時〜19時まで(受付は9時30分より開始)。
  • 会場: 株式会社翔泳社 1Fセミナールーム(東京都新宿区)
  • 参加料: 49,350円(税込・懇親会費込)
  • 特典: セミナー資料、用語集
    • 希望者にはPDU (6PDU)またはPMPR受験資格6時間

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