アギレルゴコンサルティングでは、Scrum Alliance 認定 の スクラム研修を数多く行ってきました。私たちが実際に海外で知り合った選りすぐりの講師陣にお願いしています。
次は、「レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス」の著者、David Bernsteinさんによる認定スクラムデベロッパー研修です。
勢い余ってやや宣伝っぽいのですが、ちょっと主催者の想いを聞いてください。
スクラムの基礎から健全なコードをメンテし続ける技術まで学ぶ
5日間をかけて、スクラムの基礎もカバーしながら、ペアプログラミングやリファクタリングを行いながら、チームとともに長生きするコードを生み出すための技術をしっかりと身につけるカリキュラムになっています。
開発技術を学ぶ機会の少ない日本
スクラムはやってみたけど、継続してプロダクトのリリースができていない。最初は良かったけどコードベースが大きくなって遅くなってきた。
おそらく課題は開発技術にあります。スクラムをやったとしても、開発技術を学ぶことができていなければ、高速にゴミをす生み出してしまいかねません。開発チームは継続してソースコードをメンテナンスできるように、技を磨き、アーキテクチャを手直ししていく必要があります。
実際に長く日本のソフトウェア業界にいる人間からみると、ソフトウェア開発技術自体を学ぶ機会が少ないと感じます。プロジェクトマネジメントや、製品企画については学ぶ機会がだいぶ増えてきたのですが、一方で足元の開発技術は、ツールの紹介ばかりで、本質を学ぶ機会があまりありません。昨年、アジャイル開発に携わる大小いくつかの北米の企業を訪問してきましたが、どの企業も技術や、技術の伝承、学ぶ時間をとることを重視していました。
熟練の技術者であり、技術者指導者としても熟練の講師
講師のDavidさんは、「レガシーコードからの脱却」の著者であり、長年IBMなどで実際にメンテナンスできなくなってしまったソフトウェアから脱却するための技術者指導に携わって来られました。1万人以上を指導してきたそうです。
レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
- 作者:David Scott Bernstein
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2019/09/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
技術者不足が深刻になってきた
IT部門やシステムインテグレーターさんで、実は一番多い問題が「しっかりとソフトウェアをメンテナンスし続けられる技術者がいない」であろうかと思います。数が少ない、ではなく「いない」という会社さんも多いのではないかと思います。しっかりと教育機会を作る必要があります。私見ですが、日本のソフトウェア開発の問題の一つは、上級者へのしっかりとした教育機会がほとんどないことだと思います。
北米の企業であれば、社内に80年代のデータベースシステムやOSの発明者がいたり、世界的なオープンソースプロジェクトの創始者やメンテナが闊歩しているのは珍しくないと聞きます。皆さんの環境はどうでしょうか?
技術力を持ったリーダーが必要な時代
米Microsoft に行かれた牛尾剛さんから聞いて驚いたのは、いま北米・欧州の企業では、マネジメント層も多くがソフトウェア開発の本質を理解している、ということです。「はげちゃびんがいない」という刺激的な言葉を使っていますが、実際に牛尾さん自身も自分がはげちゃびんであると感じて渡米したそうです。私たち日本人は、もっともっと技術力を高める投資を、やっていく必要があるのだと強く感じました。
技術は常に新しくなり、私たちは継続的に学び続ける
私が知る限り、ソフトウェアの世界は常に新しい技術が生まれている世界で、これはこの先も変わらないのでしょう。継続的に学ぶ必要があり、学んでいると、学ぶのが幾分やりやすいという特性があります。
新しいものを学ぶことに慣れてくると、学ぶ困難が減っていき、より楽しめるようになります。新しいことを学んでいるなら活発な精神でいられますが、筋肉と同じように、脳も使わなければその力は衰えます。年を取ると、ソフトウェアを書くのは外国語を学ぶようなものです。神経活動を刺激し、心をシャープで機敏に保ちます。
しかし、ソフトウェア開発者というものは、仕事としてソフトウェアの生産が期待されているせいで、継続的に学ぶことが難しくなることがあります。その結果、しばしば業務時間外にも勉強しなければなりません。
達人たちは、学ぶことにも積極的で、持続的で、うまいと感じます。
達人から直接指導を受けるチャンス
ペアプロ中にハマって、先生に見てもらうんですけど、15秒くらい眺めてから、次に来る回答が神回答で。
前回の研修では多く参加者の方から非常に高い評価を頂きました。実は私もちょっとびっくりしました。この人本物だなと。本物の達人から直接指導を受ける、数少ないこの機会を、ぜひ活かしてください。