ジョイ・インク (Joy, inc.) のメンローイノベーションズに行ってきた

Agile 2017 の帰り道、少し滞在を延長して、デトロイト近郊のアナーバー(Ann Arbor)にあるメンローイノベーションズの見学ツアーに参加しました。アナーバーは名門ミシガン大学(U-M)の本拠がある街です。ちょうど200年前に設立されたこの大学の周りに街ができたようなところみたいです。成田から直行便があるデトロイト空港から車で30分くらいでした。

 

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

 

 

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二匹いる Chief Motivation Officer のお一匹。

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今日の案内役は入社二年のEricさんと、5ヶ月のDaveさん。Ericさんは元3DCGエンジニアで、Daveさんはもともとメディカル系のエンジニア。文化に合うかどうかで、スキルは後、という採用方針を体現するような二人だ。

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ソフトウェアが世の中に悪い影響を及ぼしていたりするのが嫌だ、使いにくクレジットカード決済画面とか...と熱く語るリチャード(Richard Sheridan)さん。後ろにあるポスターには「より素早く失敗しよう(Make Mistake Faster)」って書いてある。アメリカの教育システムは失敗を許さないところがあって、いい大学、いい企業に入ることを目指すのだけど、メンローでは素早く失敗して、そこから学んでいきたい。この点が一番しつこく教えないとなかなかできないところだそうだ。

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中央にあるのはジョイ・インク6章に出てくるペルソナマップの実物。ハイテク人類学者(HTAs = いわゆるUX担当に近い要件定義担当)が、実ユーザの観察に基づいてペルソナを書き出し、さらにどのユーザーにまず注力するかを決め、顧客に提案する。

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デザイン思考とかユーザ中心設計に基づいて要件定義を進めていく部分だ。これを元にHTAsがユーザーストーリーに書き落としていく。

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つぎはプランニング。4章にある計画ゲームを行って、プロジェクトチームのペアがどのように一週間働くかをリソース計画する。

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ここでは「ペアがいくつアサインされるか」以上の情報は基本的にはない。顧客がだれをここにアサインを選ぶことはできない。結果的に誰が仕事してるかは、別に隠していないそうだけど。

個別のストーリーは白い紙で、サイズが見積もり時間を表す。ピンクは作業に割れていない大きな機能(いわゆるエピック)。黄色はプロジェクトごとに存在する必要な作業。ここではユーザー受け入れテストの結果のフィードバックへの対応の例が貼ってあった。紫はContingencyとあるが、通常20-30%ほどのリソースを安全余裕として取っておくのだそうだ。それもクライアントの前で見える化される。

スタンドアップ、プランニング、見積もり、ショウ&テル(スクラムでいうスプリントレビュー)のための時間は予め紙の上で控除されて、32時間がそのペアが週で使える時間としている。この机では6ペアがアサインされて、2週間スプリントで、3−4スプリント先までを計画しているようだった。(個別のカードはクライアントワークなので撮影はできなかった)。

この紙は、ジョイ・インクでは計画おりがみと訳している。とても特徴的な仕組みだと思う。

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ペア作業の模様。この島では手前に2ペア、対面に1ペア作業をしていた。

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つぎはチーム作業の進捗確認。毎日の進捗を明らかにする。計画おりがみからここに落とすのは「プロジェクトマネージャー」の役割だそうだ。Ericが指差しているところのスイカがペア名で、横に3ペアいる。一番右のピンクのペアは「QA」だ。各機能(白い紙一枚ずつ)は、計画折り紙から取ってくる。ステータスを丸いシールでアップデートしていて、赤はQA待ち、緑はQA完了、とかそういう感じ。一スプリントでは終わらない場合もあり、QA差し戻しなどもあるためシールは重ねて貼られていく。このあたりは4章の後半「ドットシール リアルタイム進捗レポート」に解説がある。

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このひもは、現在の時間を表す。毎日だんだん下に下げていくのだ。

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バグのインパクト分析のボードもおいてあった。

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下の写真はメンローの人材管理の肝となるボードだ。従業員の名前(部外者に読み取れないように記号化されている)が書かれた付箋がレベルごとのエリアに貼られている。

上に行くほど「チームに対してより高い貢献ができる」ということを示す。一番左のAssopciateで一番上までいくと、つぎは一つ右のConsultantの一番下に動く。左右は四列あって、左から右へ職位が上がっていく。この写真から、二列目のコンサルタントの3〜5あたりがボリュームゾーンというのが読み取れる。このレベルと給与はなんと「100%連動」だそうだ。

となると、下がるときにえらいモチベーションが下がりそうだけど、あまりいきなり上がったり下がったりはなくて、頻繁に話し合っているそうだ。「多くの企業は年に一度か二度の評価面談で決めているだろうが、うちは頻繁にやってる」ということだ。

ちなみに離職率は「普通(アメリカ基準)」だそう。「離職率ゼロを目指すという話を聞くけど、全然離職しないのもよくないとわかった」とリチャードさんは言っていた。ただ、やめても戻ってくることを奨励しているとことで、3回出戻った人もいるらしい。ちなみに1回目は解雇で、2回目はもっとベターになって帰って来たそう。別にぬるま湯なわけではないのだというのがうかがえた。

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10時に輪になって朝会がある。4章のデイリースタンドアップだ。

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フィードバックシートはシンプルにNPSと改善点だった。ヘンリックの研修で教えてもらって、私もそうしてる。

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6時にドアロックされるので、だいたいそのへんでみんな帰る人が多いらしい。...と思ったら話していたらすっかり6時。リチャードも帰っちゃったしガランとしたオフィスになっていた。学生の質問に答えている説明役の二人組と、柱の向こうでミーティングしているチームが一つあったくらい。日本で言えばベリーホワイト企業である。

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そういえばオフィスの場所もサイズも長らく変わっていなさそうなので、仕事の取り方は工夫がありそうだ。たぶんリソースがアサインできない仕事は受けてない。計画の仕組みからしてそうなっている。これは自分たちの文化にあう良質な顧客を、納得づくで関係を築いているということなんだろう。急に拡張しても品質的に破綻するわけだし。この点は聞いたわけじゃないので、次回お会いするときへの宿題にしとこう。

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ちなみにリチャードさんが帰る前に、日本語版にサインをしてもらった。

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こんなツアーを開催しているのは、「ジョイ」のビジネス価値を伝えるためだという。後ろにあるのはツアー客がどこから来たかを貼るボードで、日本からもいくつか来ていた。札幌と大阪と東京だった気がする。

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みんな帰ってしまったのでお土産は買い損ねた。

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Joy, inc. の訳書たち。

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とても勉強になりました。来てみると、決して海の向こうの全然環境の違う桃源郷の話ではなくて、16年前に走り始めて、ずっと地道に実験を繰り返して、今があるって感じがしました。そこの一端に触れさせていただいて、ありがとうございました!

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あ、大事なこと書き忘れてました。1/11-13に開催予定のスクラムギャザリング東京で著者の Richard Sheridan さんを基調講演スピーカーとしてお呼びする予定です。ぜひ質問攻めにしちゃってください。

 

Agile2017 Day 5

Agile Conference 最終日は メイン会場を使ったアンカンファレンスとキーノートです。

 

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前日までOpenJamで提案と投票が行われていて、通過したセッションが今日の場所を獲得。Woody Zuill が No Estimates があったり、Agile Alliance の運営アイデアについて、Agile2018のチェアーがセッション持ってたり。

 

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 AgileとFinanceの話に参加してみた。公共系なので結構説明が大変で、チームとマネジメントのミドルマンとして見える化をしている話だった。あまり手伝えなくてすみません。

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これはWoody Zuill

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ちなみに Rakuten Technology Conference でアンカンファレンストラックをやりますんでぜひ遊びに来てください。テーマはエンジニア未来会議!

 

 

Banish Your Inner Critic v2.0 (Denise Jacobs)

 

 

クロージングキーノートは、同名の本の著者のセッション。自分の心の中の批判的な声にどうやって対処するか。

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そんなのやってもうまくいかない、という心の声。

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そんな心の中の批判の声はどこから来るのか?

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否定的な教えから来るネガティブバイアスなど

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 潜在意識に潜り込む

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 自己批判は大きな問題

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Jez Humble もキーノートで言っていた。悪いシステムはよい人をいずれ打ち負かす

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 創造性を妨げる主要因

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 創造性は力

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どうしたらいい?一つの鍵は注意と集中

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そしてマインドフルネス

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自分への思いやり

他の人と比較するのを抑え、自信を持たせる

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友人が気落ちして自分のところに来たらどういう声をかけてあげる?

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脳には状態を移るのに移る許容量がある

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ちょっとやってみましょう。自己批判の声を書き出してみる。で、隣の人に回してみる。誰のかわからないようにぐるぐる回して開く。他の人はどんな批判的な声を感じてた?

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子供の頃は画家になりたいと思ってた。でも途中で気がついた。私ってそんなに絵が上手くないかも。

でも自分の声なんて正しくない。言葉は力。

さっきの批判的な声を、置き換えてみて。やらなきゃいけない、じゃなくて、なにを成し遂げるかは自分で選んだものだ!

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反芻する。よく噛む

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 手を動かすと反芻になる。

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 バスケットボールをやってたんだけど、大きくなるとチームに埋没。「私ってそんなに優秀なプレイヤーじゃないかも。」

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 他者と比較してしまう症候群

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あなたの独自さの利点を考え、資産にしよう。

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自分自身のすごさのコーチになる。そのコーチを通じて自分と話す

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確証バイアス(思い込み)は、ポジティブにもネガティブにもなる 

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 Kudoファイル使っている人いますか?(Kudoは感謝などを表すカードを渡すこと。もらったカードを集めておくのがKudoファイルだと思います。 Management3.0のKudoカードの例)

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そして、嫉妬から学び、それを(燃料に)変える。

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大学を卒業して、いずれ本を書きたいと思うようになりました。女性だし、マイノリティですけど。「本を出版することがどんだけ大変かわかっているの?」

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Deficiency Anxieties 不足を心配する気持ち

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でもそういう心配は一旦横に置きます (Swipe Left タブレットでシャッと横に追い出すジェスチャ)

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本を出版することはいったんあきらめ、専門性を磨くことにしました。

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新しいことを学んで、テディベアに話す。(ゴムのアヒルってやつですね)

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そして二度も本を出版することができました。

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継続的な改善を

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自分の内部の批判的な声から立ち上がって、クリエイティブになり、専門性を磨き、他の人々に専門性を共有する。あなたから始まります。

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とても勇気をもらえるクロージングキーノートでした。

 

5日間、密度の濃いイベントがたくさんあって、結構疲れました!
一緒にセッション出てくれたり、ご飯付き合ってくれた皆さん、ありがとうございました。

 

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Agile2017 Day 4

Agile Comference 4日目です。金曜は基調講演だけなので、通常のセッションは最終日。

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Moral Foundations Theory: to help address conflict (Linda Rising) POPULAR

 

 

今日はFearless Changeの著者、リンダライジングさんから。話を聞いてるだけで落ち着いた気分になれる、定番のセッションです。今回はコンフリクトマネジメントの話。

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衝突が起きたとき、どんな対応してる?まず衝突に勝ちたいっていう思いが最初に来るのではないか。そこで「私がバカだって教えてくれてありがとう」なんて思う人はいないよね。私もそう

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衝突解決で世界を飛び回る友人の話だと、衝突が起こるのは、相手が情報を持っていないからだと思って、もっと情報を渡したいと思う。もしくは理解できない「あいつら」おかしい。

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 なぜ「あの人たち」はその理由に耳を傾けないのだろう? 

ファクトより前に、聞くかどうかは感情で判断して入り。今私はあなた方がロジカルじゃないって言ってるけど大丈夫?

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行動経済学における確証バイアス。全く同じ情報を得ても、全く別の取り方をする人たち

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さらにバックファイア効果。事実や証拠を使って議論しても、それは相手によって減殺されて、相手の論点をむしろ強化してしまうこともある。

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認知的不協和。自己の信念と違うとき、すごく居心地が悪い。まじ無理。(という実験結果)

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懐疑的な人と皮肉屋。Fearless Changeの懐疑派代表はいい質問者。でも皮肉屋は違う。ネガティブ指向のネガティブ。枝葉末節の話にこだわって、全体を見ないので、全然助けにならない。

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私としてはFearless Change を買っていただけるとありがたいわけですけど。

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この中でこの中で、今日のテーマだとFear Less が最初に読むべきパターン。スティーブンコヴィーの七つの法則もぜひみんな読んでほしい。

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相手(あいつら)の側に行くにはどうしたら良いか。他の人たちが、自分とは違うことを考えている、そこに飛び込むのは難しいこと。でも実は単純な話(簡単ではなくシンプル)。

ぜひ、論理的に話をしてください。聡明な方々。

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もう一つ、Personal Touch パターンも大事。

新しいアイデアには様々な人が様々な反応をして来ます。これがイノベーション普及曲線。

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元になったエベレットロジャーズの本は多くの実証に支えられている。

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この事象自体は動かせないので、うまく利用したい。抵抗を急いで取り除こうとしない。それはあなたが進歩的な仕事をしていることへの自然な反応。多くの人は賢くて、注意深く、自分の仕事にベストを尽くそうとしているだけ。組織内の多くの人があなた達と同じ視野に立つなんてありえない。

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産業革命マインドセット。イノベーターとアーリーアダプターが試し、うまくいったら他の人たちが続く。

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もう一つの重要なパターンは聞く、ということ。心をオープンにするだけでなく態度も。私は十分にあなた方をリスペクトしていて、その観点をいれる用意がある

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 モラルトライブf:id:wayaguchi:20170812205614j:image

アジャイルはモラルトライブかもね。開発者とQAとか。考え方の違いがあるもの

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 それぞれの人に違いがあるので、会話が成立しないのも仕方がないこと。同じ米国でも左右に分かたれている

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すぐやってみて欲しいことは。あなた自身ではなく、相手の感じる価値に注目すること。オープンマインドになるためには、まずあなたの心を開かなければ。

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ボーイスカウトの世界では、まず相手が共通のものを信じているというところから始める

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相手の視点に立つのは難しいことで、練習が必要。「彼女はリンダ、ちょっとアグレッシブだけど、いい人(is ok)」

まだこの戦いの勝利を諦めてない?でも、勝つことはできない。相手も困っている。

休もう!

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合意できなくてもこだわらない

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国の分裂を防いだヘイズ大統領の話。

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たくさんのセッションがあって忙しい中選んでくれてありがとう。(大拍手)

 

 

How we grew Mob Programming, preserved culture, and maintained quality (Christopher Lucian) POPULAR

モブプログラミング発祥の地、Hunter Industries で今なお複数モブチームのマネージャーを続けるChris Lucianさんの経験レポート。1モブチームから、スケールアップした一年半くらいの経験を論文にした。
Chrisさんは、Rakuten Technology Conference 2017 で東京に来てくれる予定で、この拡張の話と。もちろんモブの成立過程の話をセットでしてくれる予定です。

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「ユーザーストーリーマッピング」のJeff Pattonさんと 

Jeff Pattonさんが短い滞在日程割いて会いに来てくれて、みんなでパシャリ

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Agile 2017 日記のリスト -> Day 1 | Day 2 | Day 3 | Day 4 | Day 5

Agile2017 Day 3

3日目のレポートです。継続的デリバリーの Jez Humbleがキーノートに登場です。

 

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Continuous Delivery in Agile (Jez Humble)

継続的デリバリー、DevOpsハンドブックのJez Humble の基調講演。タイトルは「継続的デリバリってすごそう (Continuous Delivery sounds great.)

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継続的デリバリーとは、変化を安全に素早く継続的にユーザーに届けられる能力。

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あらゆる点で継続的デリバリーによってゲームのルールが変わった。
かつての日本の製造業のよう。

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ケントベックのXP、ポッペンディークのリーン、そしてUNIXが父

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なぜUNIXか。

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継続的デリバリーの導入が組織でうまくいかないそれっぽい理由はよく聞くけど、結局文化がクソだから

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Amazonのデプロイ。11.6秒に一回デプロイ。
一方でよくあるデプロイは「投げて祈る」。

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デプロイメントパイプライン。UIテストとか色々なチェックごとにコミットされる。紙でやるより全然いいよね。

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連邦政府クラウドプラットフォーム。あらゆるものを記録する。一年半くらいでやるらしい。

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コンプライアンスの規定も沢山やる。連邦政府がこんな風に動いたこと、たぶんない

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以前のHPのプリンタファームウェアのプロセス。お互い信頼してないから、詳細に計画したり設計したりで随分お金と時間を使ってる。品質低いからマニュアルテストにも時間取られる。時間(サイクルタイム)も取られる。コミットまで1週間..

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ハードウェアのバリエーション減らす。パッケージを単一に。継続的インテグレーション。包括的自動化。シミュレータ作る。

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デプロイメントパイプライン。正しいことを簡単に

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3年で効率化してイノベーションに時間がさけるように (山田日登志さんみたいだ)

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経済性。この本オススメ

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つぎは、大きな生命保険の事例。Too much Legacy。

カンボジアの寺院。木が生えてきて... というシステム

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副社長がきて「これやって」「2年かかります」「これやって」「2年かかります」「これやって」「作り直した方が早いです」

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アーキテクチャ上のアウトカム。チームはこういうことができるか?自律的に大きな変更ができる、...

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NUMMI の話。GMの中では最悪の工場。トヨタとの合弁。組合はトヨタに全従業員の再雇用を要請。

途中で問題が起こったらアンドンコードを引く。人が集まる、マネージャが来る。マネージャがいうこと「手助けできることはある?」従業員がプロセスを改善する権限を持つ。build quality in

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ジョンシュックの論文

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複雑なシステムを作ってて、状況も違うので、プラクティスはコピーできない。

豊田喜一郎 : 設計盗まれても、私たちは学んでいるからさらに先に行く

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DevOpsの原則

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大野耐一

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バカとは戦うな、もっと素晴らしいものを作れ

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で、後半は、ソフトウェア業界の女性の比率が低いことに関する問題提起をしていた。医療や法律の修士は増えているのに、コンピュータサイエンスだけ80年代から女性比率が下がっている。なんでか。80年代にTVゲームは男の子のおもちゃというキャンペーンが行われたせいかも、というような話。

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NASAマーキュリー計画の裏にいた女性の映画「Hidden Figures」の人。

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女性が劣っているということも科学的にない、というか個人差に比べれば、誤差の範囲内。

 

どうしてそこを気にするかというと、技術職は給与も高いし、社会的に大きなインパクトがある。人が足りないなら採用してない50%の人を無視してないで。多様性のあるチームのほうが成績いいというデータもあるし、女性起業家のほうがROIが高い。

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じゃあ、なにができるか?性別や人種による差をなくそう。採用や評価の際にバイアスがかかってないかチェックしよう。

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The Power of Play - Coaching Teams to Play at Work (Laura Powers) POPULAR

ちょくちょく会ってたんだけど、セッションに参加するのは初めてのLaura Powersさん。今回は仕事の中でのPlay(遊び)の重要性について。遊び心大事だよね。

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シリコンバレーのHPに務めてて、すごくハイパフォーマンスなチームというのを体験した。その頃読んでたのはこの本。

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で、その頃のオフィスってこんな感じ。

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しばらくハイテク業界から離れてて、ひさしぶりに戻ってみたらこうなってた。

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遊び心に溢れたオフィス。ドリンクもある。

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なぜ遊びが大事かというと、コミュニケーションを促進するから。一年分の会話より、一時間一緒に遊ぶほうが、相手のことを知れる。

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Playという本をおすすめしたい。

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なんで遊びなのか?子供のためのものじゃなくて大人も遊ぶ!

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遊びって、創造性、イノベーションを求められる問題解決。適応性も必要。

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動物は遊ぶ。

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人間も遊ぶ。大人だって。

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ある企業のマーケティングチームのワークショップ。この人達みんな経営陣。

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モブプログラミングの現場見たことあるかもしれないけど、あれも遊んでいるようにみえるよね。

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遊びとは、日常を抜け出した活動。完全に熱中し、集中する。自分たちの空間と時間で。

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遊びにもいろいろある。チームビルディングとか、シリアスプレイとか。

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 ここからはレゴを使ったワークショップ。この本をベースにしてるよ。

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 ということで楽しくやりました。

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Fluent in Team Culture: The First Shift in Achieving Agility (Diana Larsen, Bonnie Aumann) POPULAR

Diana Larsen 初参加。

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組織は複雑適応系

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複雑適応系の場合はパターンが有効(雑な説明ですみません)。

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複雑適応系では、チームのメンバーは全体性を意識して動かないといけない。

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アジャイルをはじめ、いろんな方法論があるけど、組織に合わせるのが難しい。そこで「Fluency」というアイデアに行き着いた。コーチはどのくらい流暢さを求められるか。チームはどうか。一からアジャイルを始めると、まあまず先にコードは書けないといけないけど、まあ出荷できるような状態なら、次に必要なのは、ナレッジワーカーとしての働き方へのシフト。これが最初のシフト。

 

チーム文化。組織やビジネスにとって価値のあるものを作る。多くの組織にとってアジャイルが求められるのはここで、チームがコミュニケーションをしっかりしてものを作る。満足させるものを作る。

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それができるようになると、次のシフトが必要になる。チームのスキルのシフト。価値を素早く届けられるようになる。多くの組織では、これが本当に求められていること。チームの働く場所を整備して、環境を作る。メンバーは非常に高いスキルを持って、継続的デリバリーを行う。

一部の企業では、さらに価値を高めるために他の人たちとの関係性を見直したくなる。顧客との関係も見直す。これが次の変化。価値の最適化。価値を生み出すのはチーム。

さらに、ほんの一部のチームは、プロダクトだけでなく組織全体の変化に寄与することになる。これが4つ目のシフト。組織文化のシフト。

 

(ここでトイレに抜けてる間にワークが始まってしまっていたので、そそくさと退席。)

 

Agile Product Thinking: Stalwarts talk with Jeff Patton (Jeff Patton) POPULAR

満席で追い出されました。ジェフとは話せたからいいや。

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 ということで三日目終わりました。

あと一日半くらい。

 

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Agile2017 Day 2

昨日に引き続き Agile Conference の記録を日記にしとこうと思います。

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High Performance via Psychological Safety (Joshua Kerievsky, Heidi Helfand) POPULAR

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Modern Agile で再ブレイク中の皆さん大好きジョシュアですが、SFAgile という2011-13年くらいにやってたカンファレンスで2年連続でキーノートやってて、ベイエリアアジャイルコミュニティではもともと人気者な気がする。

今回は Modern Agile から心理的安全のセッション。心理的安全を確保すると、生産性が上がるというのがタイトルなんですけど、その時点ですでに納得なわけです。逆に心理的安全がないといかに無駄な説明が増えたり足引っ張られたりして生産性が下がるのがよく分かるので。

で、デミングの言葉から。「安全を感じないところで、ベストなパフォーマンスを出せるやつなんかいねーんだよ。」

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「企業にとって長期的に一番いいのは、修繕とオーバーホールのために生産を一時的にやめること。そうすれば私の日報のいらなくなるし、私も失業する。」

コンサルタントの仕事の重要なところは、自分が抜けても大丈夫にしとく(相手が自らやったような気になってもらう)ことだというのを聞いた気がします。 

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職場にはびこる恐怖に対処する本はこれ。

Driving Fear Out of the Workplace: Creating the High-Trust, High-Performance Organization

信頼が欠如すると悪循環が起こっていくと。

よくない仮説 -> 自己保身に走る -> 見える形での攻撃的な行動 -> ... 

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ワークショップ。「他の人から見て、無知/無能/ネガティブ/破壊的な人と取られないように、あなたの行動を変えたことはありますか?」

あ、これワークのとき意味取り違えてたな。隣りにいた高橋陽太郎さんと噛み合わなかったのはそういうことか...。ごめんなさい。シルク・ド・ソレイユのチケットに集中して話を聞いてなかった...。

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MTTCR (平均紛争解決時間)

昨日思いついたって言ってたがまあ冗談でしょ。

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修繕です。問題が起こったときに、どのように組織が反応できるかというのは、大きな指標ですね。心理的安全がないと、「問題には気づいているけど、どう直していいのかわからないので、黙っておく」という行動が多くなります。逆に言うと、つぎのジョセフ・グレニーの言葉「組織の健康状態は、あなたが感じたタイミングから、組織で議論されるタイミングまでの経過時間で計測される」ということです。思ったらすぐ言える関係性や余裕が非常に重要ということ。

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マネージャーは部下の衝突を解決するためにどんなコーチングができるか?

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共感のトライアングル。私、あなた、関係。(そのうち調べたい)

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心理的安全があるミーティングの原則。

みんなの貢献を促す。他の人の話に耳を傾ける。話の内容を復唱する。支配や中断を避ける。気配り、好奇心、決めつけない。

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ということで、おなじみGoogleの図です。まずは心理的安全ありき。

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モブプログラミングについて質問攻めの会

お昼に、Hunter Industries のモブ軍団のマネージャーの Chris Lucian が通りかかったので、みんなで質問攻めにしました。今週一番価値ある会になったんじゃないかという気がする。

 

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で、同じくHunter の William Larsen と母上の Diana Larsen (アジャイルレトロスペクティブズの人) とパシャリ

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How to go from Zero to Sixty in 19 years - Accelerated learning on the path to Agile (Woody Zuill) Popular

午後は、Mob Programming の伝道師 Woody Zuill の話を聞きました。といってもモブの話ではなく、人生の話。巷では、業務時間に勉強するかどうかというエントリが流行ってますが、なにを言っているんだお前は、という気がします。

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まあ、勉強だったり技術習得は投資なわけですが、じゃあどうやれば成功できるか?っていうと、ファンドマネージャとしての力量が問われるわけです。

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しかし短期的には成績に差が出るものの、

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つぎの期を取ると、所詮ランダム。賢くて勝ち続ける人なんていないんです。

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確証バイアスにすぎないわけです。

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 偶発性。思ってもみないことに出会うのが人生。

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他の人の事例を聞いたって真似出来ないし、勇気をもらうことくらいしかできない。

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意図的に失敗して、失敗から学ぶ。

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小さなステップで、学びながら進む。学んだことで、目標も変わるかもしれない。

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つぎの一歩を決めるときには、より可能性が広がる方へ。新しいドアを開く。

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よいメンターを探す。でもみんながメンターなんだよ。

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古い本だけど、これ知ってますか?いかに考えるか。

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みんなでうまくやっていく方法を学ぼう。

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これが Hunter Industries の最初のモブチームだそうです。初めての見学のお客さんを受けてみんなで撮った写真。

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まとめ。色々話してました。

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記念写真パシャリ 

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2日目は以上。スーパーでビール買ってきて軽く飲みました。

 

 

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Agile2017 Day 1

最近ほとんどSNSばかりでブログを書いておりませんが、今年も Agile Conference に参加しております。2009年からなのでもう8回も参加したらしいです。

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初日は基調講演から始まって90分の並行セッションが3つという構成です。

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オーガナイザーからの説明とか。

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リーダーシップに関する基調講演。潜水艦のマネジメントだった経験を踏まえて、マネジメント層の重要さとか、心理的安全とか自律性の話をしていました。

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基調講演の後は、アジャイルコーチのスコアカードの話に参加。メトリクスを取ろうという話でした。

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Productivity, Predictability, Responsiveness, Quality, Agile Maturity/Fluency, Business Outcome, Happiness という観点でメトリクスを出す。Rally(プロジェクト管理ツール)から取れるものと、アンケートやインタビューで。

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Productivity(生産性)の例。緑がストーリー数、黒がバグ対応数、青が合計。

カンバンとスクラムを混合してるのでサイズ見積もりはなく件数だけとってる

この例ではより安定してきてる。

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これはPredictability(予測性)の例。
下側の時は着手数の方が多い状態。上側は完了数が上回ってる状態。WIPを制御することで徐々に上になる。こうすることで、「タスクが山積みなんでいつ終わるかわかりません」状態を回避できるようになる。フローの効率化。

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ここで会場から質問。「Weって言うけど誰?誰のためにデータ取ってるの?コーチやコンサルタントのため?チームのため?」

どっちのためでもある、というような回答だったと思います。(メトリクス系のとき、この点がいつも焦点になる気がします。マネジメントに管理しやすい数値を渡したいだけなら、それチームのためじゃないじゃん説。いやマネジメントが管理しやすければチームもやりやすいでしょ、という立場はあると思いますが、チームとの信頼関係次第かな。業務知識のないマネージャーさんに操作しやすい数字をあげても、いい方向には使えなかったりするでしょうし。)

このあと質問ラッシュになってました。

Agile Fluency / Maturity つまりアジャイルがどれくらい出来てるか、はインタビューでトルっぽいです。ダイアナ・ラーセンとかがやってる、Agile Fluencyのモデルを参考にしている模様。

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Jonathan Rasmusson : 7 Sources of Waste

アジャイルサムライ」の著者で今はSpotifyでエンジニアしているジョナサンのセッションに参加。Pragmatic Bookshelf から新しい本が出てます。

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テスト自動化の7つのムダ ... 3つは技術面、4つは文化面。

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#1 スローテスト
まず見つけるのが難しい
すべてのテストが暴動ではない 1000ms 100ms 1ms
スローテストは生産性キラー

 

#2 Flaky Test
100%の信頼性で動かないテスト。
つまりテストの結果が揺らぐのは辛いってこと。
これ1月にMicrosoft行ったときにBingのUIテスト自動化の人も同じことを言っていた。
なるべく各環境(ロケールとかブラウザとか)で揺らがないような書き方を探すんだそう。

Kent Beck はそんなテストは消せと言っている。

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#3 Premature Hardening

バグを取りきる前にUIテスト(自動化)に入ってはいけない。

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こっから文化

#4 Lack of Language and Framework
共通言語(結合テストがなにを意味するかとか)がないと辛い。テストのフレームワークが統一できてないと辛い

 

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#5 Lack of Skills

必要なスキルがないと辛い

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#6 Artificial Separation of concern

責任を変に分割してると辛い (開発者とQAとか)

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一つの作戦はテスト中の列をタスクボードから削除。

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#7 Lack of perspective

しかし観点は必要なのだ。

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最後にSpotifyの話

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ダッシュボード作って常に見えるようにしている。テストコケてないかとか、各種メトリクス。

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チーム(Squad)によっては専任のテスト自動化のロールの人がいる。例えばクルマのメーカーとの共同プロジェクトですごい短い期間でクルマ(TeslaとかBMWって言ってた)でSpotifyの音楽を流せるようにしたんだけど、こういうテストは専門家がついた。

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生産性向上のための専任チームがいる。これはプロセス改善するという意味ではなくて、技術的に解決する人たちという意味だと思う。DevOpsとかツール整備とかそういう感じだろう。

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毎週リリース。これはきついけど守っている。ユーザーからフィードバックもらうためには必要なこと。毎週機能をリリースする。

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テストエンジニアの社内認定試験を作った。(このへんは How Google test に近いな)

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ということで、本を出したので読んでね。(日本語版は9月にオライリージャパンから出版予定だそうです。)

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よいまとめであり、かつSpotifyの話が聞けてすごく勉強になりました。

 

昼ごはん食べたときに「タフクエスチョン用意しといてね」と言われたので質問。

「こういう話って、非エンジニアの偉い人に説明するの大変じゃん?どうしたら良いと思う?」

答え「わかんね。カナダのエネルギー系のプロジェクトのときは、お金に換算して説明してた。Spotifyはファウンダーがエンジニアで、もともと技術的解決をする仕事をしてて、その3つの柱の一つがSpotifyだった...」

まあ、そういう時代かなーと思う。 

 

最後に日本人とパシャリ

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で、このつぎのセッションが David さんの非エンジニア向けにクリーンコードを説明する方法のセッションでした。熱く語っていた。

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Joy, Inc. のジグソー法ワークショップ

Developers Summit 2017 でやった、Joy, Inc. のジグソー法ワークショップの資料を公開しました。Joy, Inc. は2000年代初めからアジャイル開発とデザイン思考を取り入れて顧客を巻き込んだ受託開発を行っている、メンローイノベーションズ社の取り組みについて、ファウンダーであり現職のCEOであるリチャード・シェリダン自らが描き下ろした本です。米国のアジャイルコーチの多くが見学ツアーに訪れる、活きた実例であるメンロー社の徹底した顧客志向の文化に触れることができます。

書籍の無料お試し版(電子版、固定レイアウトのみ Kindle  Kobo ほか)がありますので、購入前の方でもこのワークショップを行うことができます。イベントなどでワークショップを行うこともできますので、お声掛けいただければ幸いです。

ジグソー法の読書会への適用は教育心理学概論読書会で試みられ、知識構成型ジグソー法 | 東京大学 CoREF を参考にさせていただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

speakerdeck.com

無料お試し版で公開されている部分 

以下の4つの部分を無料版に入れていただいております。開発者、プロマネ、UX/要件定義担当にとって興味がありそうな部分を抜き出しました。ワークショップではこのうち3つを使いました。

  1. 喜び?ご冗談でしょう  P.7-12 
  2. 頭は二つ … コンピュータは一台 (ペアプログラミング) P.62-69

  3. プロジェクト計画折り紙 困難な選択をつきつける (プロジェクト計画)   P.98-103
  4. そこにある断絶 (ユーザーエクスペリエンス/デザイン思考) P.138-146

 

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ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

 

 

ジグゾー法ワークショップの模様

100名超え、かつ、短時間のワークショップでしたが、みなさん楽しく議論ができたようです。無料お試し版は、ジグソー法型の読書会をやってみるのにも最適な分量を考えて作っていますので、ぜひ試してみてください。いろいろな本でジグソー法を使った読書会をやっていますが、どの本もどの回も満足度は高いです。

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永瀬さんの実況解説付きビデオはこちらです。


Joy, Inc.Jigsaw Reading at Developers Summit 2017


Joy, Inc.Jigsaw Reading at Developers Summit 2017


Joy, Inc.Jigsaw Reading at Developers Summit 2017

 

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