こんにちは。
イノベーションスプリントの前説の時間をいただいているのですが、
本番でうまくしゃべれる自信がないので、ここに原稿を書いておきます。
- このイベントの趣旨は?
- 世界的な組織経営論の指導者である野中郁次郎先生と、世界的なソフトウェア開発フレームワーク「スクラム」のファウンダーであるジェフサザーランド博士のお二人が相見える歴史的なイベントです。
- ジェフ・サザーランド博士は、このイベントまで、18年間、野中先生に会いたいと考えていたそうです。
- そのことを、最初に私に教えてくれたのは、Jim Coplien という人です。ありがとうございます。
- スクラムは北米/欧州で最も成功している開発方法ですので、おそらくこのイベントは、アメリカでやる方がおそらく人が集まるのではないかと考えます。
- しかし、今回は野中先生が日本人でいらっしゃるという地の利を活かして、日本で開催することができました。ぜひこのチャンスを、皆さんに活かしていただければと考えています。
- 催行者は?
- コミュニティ有志による実行委員会のもと、催行会社であるピークワン社に運営を委託しています。
- 運営資金はすべて、ご覧のスポンサー様によるスポンサー料でまかなっております。ありがとうございます。
- イノベーションについて
- 日本の社会全体が、閉塞感に苛まれているそうです。元旦の「朝まで生テレビ」で田原総一郎さんもそういうことをおっしゃっていたような気がしますので、たぶんそうなんだろうと思います。
- しかし、そういった気分の問題はさておき、皆さんは現在、顧客の期待をいい意味で裏切るような素晴らしいサービスを生み出そうと、努力されていることと思います。
- え、そういうことは、できる状態にないですか?なぜでしょう。
- 「一番障害になっていることはなんですか?それを取り除くためには、なにができるでしょうか。」
- この問いを、愚直に発し続けるのが、スクラムの重要な側面の一つです。
- これをジェフサザーランドさんに教えたのは、日本企業の実践例だそうです。
- ネジ一個から、常に自分たちのやり方を問い直し続ける、町工場のイノベーションが、回り回って、世界に冠たるソフトウェア企業の文化を支えている。こんなすごいことはないな、と思います。きっと私たちも学ぶ必要があります。
- 組織のさまざまな層の方に
- このイノベーションスプリントでは、組織のいろいろな層、お立場の方に来ていただけるよう、Twitterから大手メディアまで、非常に幅広いメディアでご紹介をいただきました。ありがとうございます。
- スクラムの勉強会を開きますと、いろんな現場の方にお会いすることができます。たびたびこういう嘆きを聞きます。「会社が、上司が、許可してくれないのでスクラムができません」
- なるほど。では、「一番障害になっていることはなんですか?それを取り除くためには、なにができるでしょうか。」
- 「許可を求めるな謝罪せよ」という言葉があります。これは 3Mという会社の社是の一つで、メアリーポッペンディークさんが話したものを、平鍋さんが訳したものですが、これはつまり、サントリー創業者である鳥井信治郎さんの言葉を借りるなら「やってみなはれ」ということになると思います。
- 自分で考えない現場に、イノベーションはありません。
- 失敗を許容できない人々が支配する組織に、イノベーションはありません。
- 現場にチャレンジをうながし、リスクを許容し、現場の学習を支援するようなマネジメントを、行っていくひつようがある、と考えています。
- 「信頼」が必要です。当事者を信頼し、彼ら/彼女らの障害を取り除くよう、黒子となって動く。言葉にすれば、あたりまえのことかもしれませんが、それを実際に続けるのは大変難しいことと想像いたします。
- 今日はぜひ、ヒントを持ち帰っていただければと、祈っております。